HDDという部品の制約がないために自由なデザインの製品を作りやすいのも、フラッシュメモリタイプの特徴だ。
形状として最も多いのはスティックタイプだが、フラッシュメモリ部分とバッテリー部分を分離できるもの(クリエイティブメディアのCreative MuVo TX FM)やコマのように握り込めるデザインの製品(ソニーのNW-E103)、鏡面仕上げのキューブ型(パナソニック SV-SD100V/SV-SD90)などバラエティに富んだ製品が販売されている。
変わりダネとしては腕時計型(エバーグリーン EG-MPW256CII、サンコー Analog MP3 Watch with Voice Recoreder)やヘッドフォン一体型(RWC itan Egoiste)、Bluetoothヘッドフォンが付属するもの(NHJ VHD-5500)などのほか、アイリバー・ジャパンからはiFP-700 シリーズに対応した防水ケース「SV-i700」を販売されており、利用することで水中でも音楽を楽しめる(水深3メートルまで利用可能で、水中用ヘッドフォンも付属している)。
これまでは価格容量比でHDDタイプに比べて不利と言われてきたフラッシュメモリタイプだが、最近では512Mバイトタイプならば1万円台半ばから手に入り、MDプレーヤーの価格帯に近づいている。HDDタイプは低価格なものでも2万円はするので、単純に“デジタルオーディオプレーヤーが欲しい”と考えた場合、より手軽に入手できる。
それに、小型軽量さや形状の自由さ、音飛びへの強さはHDDタイプにはないメリットだ。最近では容量不足もそれほど感じなくなったが、PCのライブラリをすべて持ち運ぶというまでには至っておらず、フラッシュメモリタイプはあくまでも“CD何枚かをまとめて気軽に持ち歩く”というニュアンスの製品であることは違いない。
しかし、この“気軽さ”こそがフラッシュメモリタイプ最大の利点だろう。お気に入りのアルバムをセレクトして軽快に楽しむ、そうしたスタイルがぴったりだ。ポケットに入れても重さを感じない数十グラムという軽さも、持ち歩く際の心理的な負担をぐっと低減してくれる。
ポータブルMDからの乗り換えはもちろん、もっと気軽に音楽を連れ出したいと考えるユーザーにはフラッシュメモリタイプがお勧めだ。
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