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ニュートラルな画質と豊富な入出力端子が魅力――日本ビクター「LT-26LC60」特集:夏ボで狙いたい液晶テレビ(2/4 ページ)

» 2005年06月09日 17時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 画質のチェックは“内蔵チューナーによる地上波アナログ放送”“地上波デジタル放送とBSデジタル放送をTS録画したハイビジョン素材”、そしていくつかのDVDビデオでチェックした。なお、検証環境の問題で、地上波放送はケーブルTV(地上波デジタルもパススルー対応)を、またTS録画には、パイオニア「DVR-720H」を使用している。

 まず、HD映像を標準の設定(スタンダード)で見た。解像度は十分で、ニュートラルな発色。発色に関してはちょっと“こってり”な印象も受けるが、人肌に不自然な赤みがのる感じはしない。コントラスト差の大きなシーンでも白飛びも感じないし、暗部のコントラストも良く表現され破綻は感じない。決して派手という印象は受けないが、地味という印象でもない。

 動きの激しい映像、主に視聴したのはハイビジョンのサッカー中継、DVDビデオの戦闘シーンなどだが、残像はほとんど感じなかった。また標準設定のまま、かなり明るい環境でも視聴したが(10畳程度のスペースに蛍光灯10本)、輝度も十分だ。

 今回は、LT-26LC60を含め、レビューを掲載予定の3台(東芝 「26LH100」、松下電器産業「TH-26LX500」)を並べて比較したが、同条件(標準の画質設定)であれば、まさにLT-26LC60が中間的な画質という印象。落ち着いた感じの松下、艶やかな東芝に対し、ナチュラルなビクターという所だろうか。店頭に展示したときの効果という意味では、ナチュラルすぎてインパクトが薄く、ちょっと損をするかな? という印象も受ける。

 また。かつてのビクター製品が持っていた「白」のイメージとは随分異なる印象を受けた。「純白カラー」は古過ぎだろうが、どちらかといえばビクター製品のイメージとしては鮮やかな白、という印象が筆者にはある。しかし、少なくとも標準設定は、白を押し出すような画質にはなっていない。どちらかといえば暖かみを感じる画質だ。標準設定は色温度が「低」に設定されているので、狙った画質なのかもしれない。

 画質設定をプリセットの「シアター」に変更すると、ぐっと明るさを抑えた画質になる。ただし、この設定は暗い環境で視聴するためのものだから、照明を落とすと明るさはちょうど良い感じになる。「EEセンサー」という部屋の明るさに応じて画面の明るさも自動変更する機能もあるが、照明を完全に落としてしまうと追従しきれないようだ。やはり、照明を落として映画を見るような場合は、画質設定を「シアター」にするほうがいい。

 ちょっと気になったのは赤、青という原色に近い色のテロップ。HD映像でもエッジ部分のちらつきが目につく。同時に視聴した3台とも気になった部分だが、LT26−LC60がもっとも目立つようだ。少々こってり気味の発色が影響しているのかもしれない。

 地上波アナログ放送やD2出力したDVDビデオ映像などは、テレビ側でアップスケールされる。その画質は、若干シャープさに欠ける印象で、少しざらざら感もある。

 ただ、これは高解像度パネルを使った製品の宿命のようなものだ。実際、これは試用した3つの製品すべてに当てはまるようで、地上波デジタル放送が見られる環境なら、なるべくアナログ放送を見たくないな……という気持ちになる。とくに地上波アナログ放送では、パッと見、10年以上前の29インチブラウン管テレビの方が見やすいという印象を受けるのだ。

無難にまとめられた操作性だが、ダイレクト感は今一歩

 操作の中心となるリモコンは、中央部にチャンネルアップダウンと音量、4方向キーなどを配置しており、片手でも持ち替えることなく、基本的な操作が行える。小さめのボタンも多いが、比較的スリムで片手でも持ちやすいので、これ以上サイズアップされたり、ボタンをぎゅうぎゅう詰めにされるよりは良さそうだ。

photo いかにもビクター製品というデザインのリモコン。基本レイアウトで気になるとすれば、放送波の切り替ボタンが上部にあるため、チャンネル操作がアップダウン中心の人には遠い位置になることだろう
photo メニューボタンを押すと各種調整、設定のメニューが、「便利機能」ボタンを押すと番組検索や外部機器操作、メモリカード機能を呼び出せるメニューが起動する

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