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パイオニアと三菱化学、BD-Rのコストを下げる製膜法を開発

» 2005年06月09日 22時06分 公開
[ITmedia]

 パイオニアと三菱化学メディアは6月9日、スピンコート法により記録層に有機色素系記録材料を用いた次世代ライトワンス型光ディスクの開発に成功したと発表した。スピンコート法は、CD-RやDVD-Rなどの記録層の製法と同様のため、「大規模な設備投資は必要なく、短いタクトタイムでディスクを製造することが可能になる」(パイオニア)。

 試作品は、片面一層のライトワンス型Blu-rayディスク(BD-R)に相当するもの。1.1ミリ厚のポリカーボネートを基板に使い、反射膜(合金)上にスピンコート法で有機色素系記録材料を製膜した記録層と、0.1ミリ厚のカバー層で構成した。記録/再生時の特性は、ジッター6.0%、反射率40%と再生専用Blu-rayディスク(BD-ROM)とほぼ同等だという。

 「成功の要因は、スピンコート法の製膜に適し、かつ十分な反射率と安定した品質を得られる有機色素系記録材料を新たに開発したこと。これにより、次世代ライトワンス型光ディスクをDVD-Rと同様の製膜法で製造できる目処がついた」(パイオニア)。

 両社は今後、Blu-ray Disc Association(BDA)に対し、新しい有機色素系記録材料を記録層に使用したライトワンス型Blu-rayディスクの規格提案を行う。なお今回の研究成果は、7月にハワイで開催される「ISOM/ODS'05」で発表を行う予定だ。

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