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“簡単・高画質”を誰の手にも――ペンタックス「オプティオ S55」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年06月13日 20時02分 公開
[小山安博,ITmedia]

 撮影から再生への移行も手順としてはわかりやすい。独立した再生ボタンが用意されており、撮影後ワンボタンで再生できる操作性は、最近のデジカメではいたって一般的ながら、やはり使いやすい。再生中も、シャッター半押しですぐに撮影モードに移行できる。メニュー画面などからも、シャッターボタンを半押しすればすぐに撮影状態に入れる操作性も申し分ない。

 再生時の拡大ズームは12倍まで。拡大再生を開始した段階で少しもたつく感じがするのが残念だが、メニューから「クイック拡大」を設定しておくと、ズームボタンを一度押せば一気に12倍まで拡大される。そこからOKボタンなどを押すと、すぐに等倍再生に戻れる点はいい。

 シャッタースピードから絞り、ISO感度、ヒストグラムなど、多くの撮影情報が表示できるのも大画面を生かしていてポイントが高い。

photo 再生画面では豊富な撮影情報が表示できる

 再生中に下ボタンを押すと、画像を回転して再生できる操作性も良かった。キヤノンなど、EXIF情報に縦横位置を記録し、再生時もそれを反映して縦位置で取った画像は縦方向で再生できるものもあるが、S55にはそういった機能はない。その代わり、画像の回転が簡単に行えるので、そうしたデメリットは解消されている。逆に、自分の望んだ方向に回転させて再生できるので、これはこれで便利だろう。

photo 画像を回転して表示させることができる。回転情報は記録される

 いったん回転させた画像は、EXIF情報に位置情報が記録されるので、PCに取り込んだ際に、Photoshopなどの対応ソフトであれば記録されたとおりの方向で表示できる。EXIF情報に記録されるため、画像の劣化もない。

「誰もが扱いやすい」が売り

 S55は、誰でも簡単に使えるエントリー向けのデジカメだ。2.5インチ液晶、光学3倍ズーム、500万画素CCDといった基本機能に加え、大きな不満のない操作性、細かなカスタマイズ、さらには単3形乾電池対応、内蔵メモリと、一通りのスペックをそろえている。

 イージーモードに加え、さまざまなピクチャーモードも用意され、よく使うモードはモードダイヤルにそなえるといった工夫も使いやすさに寄与しており、画質もこのクラスにしてはノイズが抑えられており、スナップカメラとしては特に不満も起きなさそう。

 逆に言えば、群を抜いた機能やとんがった独自機能はないと言えるが、そもそもそれを求めるカメラではない。一般的なプライベートのスナップ撮影では困ることのなさそうな、ツボをよく押さえた設計で、誰もが扱いやすいカメラ――それがS55だと言えるだろう。

photo バッテリーは単3形乾電池にも対応。付属のリチウム電池「CR-V3」使用時で撮影可能枚数は約370枚(CIPA規格)。普通の使用であれば十分バッテリーはもつ

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