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“質実剛健”な光学手ブレ補正+高倍率ズーム機「サイバーショットH1」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年06月14日 12時25分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

サイバーショットらしい素直な画質

 さて肝心の画質だが、これはもうサイバーショットらしい爽やかさ。逆光気味時のパープルフリンジやワイド端時のわずかな樽型収差が気になることはあるが、このクラスではしょうがない面もある。オート時は記憶色を強調せず、晴天下では晴天下なりに、曇天下では曇天下なりに写るのも特徴だ。オートホワイトバランスは屋内でやや不安定な傾向があり、暗い場所ではカスタム設定がうまく効かないことも。屋外で力を発揮する望遠デジカメといっていいと思う。

 サイバーショットにはTシリーズやMシリーズ、Fシリーズのようにソニーらしい個性的なデザインのモデルと、WシリーズやVシリーズのようにオーソドックススタイルのモデルがあるが、DSC-H1は後者だと思う。派手ではないが、質実剛健系の作りとなっている。

 携帯性では松下DMC-FZ5に、機能の多彩さではキヤノンPowerShot S2 ISにやや見劣りする面もあるが、DSC-H1はしっかりしたグリップや基本性能の充実、大きな液晶ディスプレイというアドバンテージを持つ。「今日は〜を撮るぞ」と思って持って行くのにふさわしい存在感のある超望遠デジカメで、これに1.7倍のテレコンをつければある意味最強かもしれない。


作例

テレ端で自転車のグリップのアップを。背景はきれいにぼけているし、日差しが当たっているとシャープで鮮やかな写りを見せてくれる。ISO64。1/320秒 F4
オープンカフェで撮影したが、日陰で色温度が高い場所だったため、それに引っ張られて皿がずいぶん青っぽく写ってしまった。マクロ時のシャープさはよい。ISO64 1/250秒 F4。+1/3段補正
不忍池にて。左のホテルや高層マンションのエッジにパープルフリンジが見られる。空の描写は爽やかで無理に青くしていない(風景モードで撮ると青や緑が強調される)。ISO634 1/640秒 F4
テレ端
テレ端+デジタル2倍ズーム。カワセミの親子(左が親、右が子)をテレ端とテレ端+デジタル2倍ズームで撮影。木の影で暗かったので+1段の補正をかけてある。ISO200に増感してあるためディテールが少しつぶれているが、2倍ズームくらいなら十分実用的だ
野良猫をテレ端で撮影。ちゃんと猫にピントが合っており、多少日差しがあたっているので毛の質感もいい。条件が良ければ非常によい写りを見せてくれる。ISO64。1/500秒 F4
ワイド端で撮影。このこってりしすぎない爽やかな晴れっぷりがサイバーショットらしさ。コントラストはちょっと高めだ。ISO64。1/800秒 F4

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