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ポータブルプレーヤーが欲しい!(HDDタイプ/後編)バイヤーズガイド(2/2 ページ)

» 2005年06月15日 17時18分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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+αの機能を確認――MPEG-4再生機能を備えた製品も

 音楽再生以外の機能についてもチェックしてみたい。もっともHDDタイプらしい+αの機能といえば静止画/動画の再生機能だろう。

 そのものズバリの名前を冠したiPod Photoを始め、gigabeat FやH10、YH-820MCB、iAUDIO X5などカラー液晶を搭載した機種の多くがデジカメ画像など静止画の表示に対応している(HD20GA7はカラー液晶を搭載しているが、フォトビューワーとしての機能は備えていない)。

photo iPod Photoでジャケット画像を表示
photo YH-820MCBにデジカメ画像を表示

 画像の転送については、楽曲と同じように付属ソフトを利用してPCから本体へ転送する製品がほとんど。しかし、最近はUSBホスト機能を備えた製品もいくつか登場している。これを利用すれば、デジカメなどUSBマスストレージクラスに対応した機器に収納されているデータを、PCを介さず直接プレーヤーのHDDに転送できる。転送した画像は本体の液晶で見てもいいし、そのまま保存しておいてもいい。プレーヤーのHDDをデジカメ用のストレージとしても活用できる。

photo YH-820MCBの場合、添付ソフトのSamsung Multimedia Studioを利用してPCの画像を転送する

 PCレスでの画像転送に対応しているのは、iAUDIO X5やH300シリーズ、VHD-5100など。iPod Photoはそれ自体にUSBホスト機能を備えておらず、別売の「Camera Connector」を利用する必要がある。

photo VHD-5100(エヌエイチジェイ)

 USBという規格を使用しているため、基本的にはカメラがUSBマスストレージクラスに対応していればどのような製品同士を組み合わせても利用できるはずだが、一部の組み合わせではプレーヤーがデジカメを認識しないという事もあるようだ(筆者もいくつかそうした経験をしている)。デジカメとのダイレクト接続を考えているならば、メーカー各社が公開している対応表を事前に確認しておこう。

 音楽/静止画と来て、次にターゲットとなるのは動画。iAUDIO X5はMPEG-4の動画再生にも対応している。詳細についてはレビューを参照してもらいたいが、持ち出したい動画を付属ソフトで本体で再生可能な形に変換してやる必要があり、PCからドラッグ&ドロップで手軽にという訳にはいかない。

photo iAUDIO X5での動画再生

 iAUDIO X5の液晶サイズは1.8インチで迫力ある映像を楽しめるとは言い難いが、録画したTV番組を通勤途中に楽しむといった用途には十分なクオリティを持っている。動画再生ともなるとCPUへの負担も大きく、消費電力も増大してしまうのでポータブルオーディオでの動画再生機能がメジャーなものになるかは未知数だが、注目すべき機能といえるだろう。

「手持ちのCDを全部持ち歩きたい」という欲求に答えるHDDタイプ

 小型軽量しかも安価なフラッシュメモリタイプが多く登場してきたせいか、HDDタイプは少々苦戦を強いられているようだ。店頭での中心価格帯を見ても、フラッシュメモリタイプが1万円台後半〜2万円台前半であるのに対して、HDDタイプは2万円台前半〜3万円台前半となっており、価格面での不利があることは否めない。

 しかし、価格容量比では依然として有利であるほか、HDDというデバイスを使用することによる大容量という絶対的なアドバンテージがある。筆者のPCライブラリには現在1700曲ほどが収納されており、容量は10Gバイトを超えている。それをすべてiPodに入れているのだが、まだHDDには余裕がある。

 「とにかく全部の曲を入れておける」という安心感がHDDタイプにはあるのだ。すべての曲を入れておけば、出かけるときに曲を入れ替えて……というような手間もかからない。ただ充電だけを確認していればいい。

 価格や重量の面ではフラッシュメモリタイプが有利だが、なによりもこの“安心感”と求めたいユーザーにはHDDタイプをお勧めしたい。

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