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気軽に音楽ジュークボックス――ソニー「NAS-A10」レビュー:ストレージ搭載オーディオ特集(2/3 ページ)

» 2005年06月21日 19時07分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 この製品では、主に4つの機能モードを切り換えて利用する。「CD」「HDD」「チューナー」、そして「Any Music」だ。各モードを行き来する際には「ファンクション切り換え中です」というメッセージが表示され、2〜3秒の処理時間を要する。また、CDを挿入していると、CDモードへ切り換えた際に、毎回必ずCDDBへの参照が行われるため、さらに数秒待たされる。

photo 機能は、リモコンの「CD」「HDD」「チューナー/バンド」「ANY MUSIC」ボタンでダイレクトに切り換え可能だが、ファンクションボタンを押してメニューを呼び出してもいい。ここでしか実行できないファンクションもある

 CDをHDDへ取り込むには、まずCDモードでディスクを認識させ、そのまま、(HDD録音)ボタンを押せばいい。デフォルトでは録音形式はATRAC3になっているが、録音する前に「ツール」ボタンを押してメニューを呼び出し、「録音設定」を行えば変更は可能だ。ATRAC3のビットレートは66/105/132kbpsのいずれかを選択でき、フォーマットは非圧縮PCMにも設定できる。

photo ツールボタンを押すと、各機能に応じて、設定や編集などを行うためのメニューが呼び出せる
photo CDからHDDへ音楽を取り込むには、CDモードでHDD録音ボタンを押せばいい。指定した曲だけを取り込むことも可能だ
photo リモコンはスリムだが、意外と大きめ。最下部の再生制御用ボタンのほか、中央にはメニュー操作に必要なカーソル類が配置されているほか、文字入力を兼ねるテンキーも装備。文字入力はケータイ式で、日本語入力/変換もできる(予測変換にも対応)。ただ、CDDBの認識率は高いので、入力が必要な場面は少ないだろう

 CDDBに関しては、BOSEの「LifeStyle48」と同じくGracenote CDDBを採用し、データベースをHDD内に収録済みだ。しかし、認識されるディスクはずっと幅広い。「LifeStyle48」の記事で「認識されなかった」と書いたものも、すべてアルバムタイトル/アーチスト/曲名が正しく引けた。

 さらに、これはどうだとばかりに、ケルト系民族音楽や多彩なCDを入れてみたが、ほとんどすべて認識された。Jean Ritchieの「Mountain Hearth & Home」(アパラチア民謡)はおろか、New Trollsの「Concerto Grosso N.I」と「Concerto Grosso N.II」を1枚に、あるいはGryphonの「RED QUEEN TO GRYPHON THREE」と「RAINDANCE」(ともにプログレ系)を1枚に収録した、変なコンピレーションたちまでもOK……。

photo CDを挿入すると、Gracenote CDDBによるCD情報の検索が実行され、アルバムタイトル/アーチスト/曲名を自動的に取得してくれる。たいていのディスクは認識された

 収録ずみのデータベースにも差はありそうだが、さらに「NAS-A10」ではLAN経由での最新データ取得も行うため、古いタイトルはもちろん、新譜の認識も問題ないようだ。「LifeStyle48」でもEthernet端子は装備されていたが、CDDBのアップデートには現時点では対応していなかった。

 CD取り込みにかかる時間を、「LifeStyle48」のときと同じ約40分収録のディスクで計測してみたところ、ATRAC3で5分46秒、PCMでもほぼ同じという結果となった。

 また、この製品では、CD取り込み中にほかの作業はほぼ不可能だが、録音設定で「モニター音再生 ON」にしておくと、取り込み中の曲を再生できる(その曲の取り込みが完了するまでの等速再生なので、途中で切れるが)。この場合は取り込みに7分26秒かかった。

 あくまでも曲を確認するためのモニター再生にしかならないうえ、意外と処理時間に差があるので、特に必要がなければOFFにしておいたほうがいい。

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