この製品では、主に4つの機能モードを切り換えて利用する。「CD」「HDD」「チューナー」、そして「Any Music」だ。各モードを行き来する際には「ファンクション切り換え中です」というメッセージが表示され、2〜3秒の処理時間を要する。また、CDを挿入していると、CDモードへ切り換えた際に、毎回必ずCDDBへの参照が行われるため、さらに数秒待たされる。
CDをHDDへ取り込むには、まずCDモードでディスクを認識させ、そのまま、●(HDD録音)ボタンを押せばいい。デフォルトでは録音形式はATRAC3になっているが、録音する前に「ツール」ボタンを押してメニューを呼び出し、「録音設定」を行えば変更は可能だ。ATRAC3のビットレートは66/105/132kbpsのいずれかを選択でき、フォーマットは非圧縮PCMにも設定できる。
CDDBに関しては、BOSEの「LifeStyle48」と同じくGracenote CDDBを採用し、データベースをHDD内に収録済みだ。しかし、認識されるディスクはずっと幅広い。「LifeStyle48」の記事で「認識されなかった」と書いたものも、すべてアルバムタイトル/アーチスト/曲名が正しく引けた。
さらに、これはどうだとばかりに、ケルト系民族音楽や多彩なCDを入れてみたが、ほとんどすべて認識された。Jean Ritchieの「Mountain Hearth & Home」(アパラチア民謡)はおろか、New Trollsの「Concerto Grosso N.I」と「Concerto Grosso N.II」を1枚に、あるいはGryphonの「RED QUEEN TO GRYPHON THREE」と「RAINDANCE」(ともにプログレ系)を1枚に収録した、変なコンピレーションたちまでもOK……。
収録ずみのデータベースにも差はありそうだが、さらに「NAS-A10」ではLAN経由での最新データ取得も行うため、古いタイトルはもちろん、新譜の認識も問題ないようだ。「LifeStyle48」でもEthernet端子は装備されていたが、CDDBのアップデートには現時点では対応していなかった。
CD取り込みにかかる時間を、「LifeStyle48」のときと同じ約40分収録のディスクで計測してみたところ、ATRAC3で5分46秒、PCMでもほぼ同じという結果となった。
また、この製品では、CD取り込み中にほかの作業はほぼ不可能だが、録音設定で「モニター音再生 ON」にしておくと、取り込み中の曲を再生できる(その曲の取り込みが完了するまでの等速再生なので、途中で切れるが)。この場合は取り込みに7分26秒かかった。
あくまでも曲を確認するためのモニター再生にしかならないうえ、意外と処理時間に差があるので、特に必要がなければOFFにしておいたほうがいい。
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