上のフロアにあがると、実験のコーナーだった。真空のなかでマシュマロはどうなるかとか、角運動量保存則の体感とか、目で見てわかる共振周波数とか、ボール磁石をつかったガウス加速器とか、エクスプラトリウム的な体験型の展示が並ぶ。こどもたちが喜んでいるのはここだ。いや、わたしも喜んでいて時間を失ってしまった。で、そこですごいと思ったのがこれだ。
これはなにをしているのかというと、目で見てわかるブラックホールの実験なのだ。ブラックホールといえば、ここにあるようなあの画像が浮かぶのだけど、それを実際に作ってしまったというのがこれだ。ボールを放り込むと、ブラックホールに吸い込まれる気持ちが味わえるというわけ。
――すごいですね。これ作ったんですか?
「いや、じつはこれランプシェードなんです。ほら」
裏を見せてくれたら、なるほど電気製品のシールがはってある。「街で見て、これは使えるんじゃないかと思って」なんだそうだ*5。頭の上のブラックホール。
先に進むと第2会場、月惑星探査ローバーと、地球から操作するマニュピュレータのデモ展示のコーナー。これも人気だ。
廊下にもさりげなくローバーが置かれていたりする。
うしろに見える黄色いバケツは、これだ。ちょっとびっくり*6。
さて、一度外に出るとM-3SII型ロケットの原寸模型がある。ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」を打ち上げたロケットだ。
第3会場の最初には、「宇宙農業構想」のコーナーがある。2つの展示があって、ひとつは藍藻類からはじめて長い時間をかけて「地球化」しようというもの。もうひとつは、もっと簡単に地球の植物を育てられるような方法を検討するもの。人類が本気で宇宙に出るためにはどうしたって必要になるものだ。
これは人工的に作った火星の砂(レゴリス)で育てたセイヨウミヤコグサ。根粒菌と共生することで空中の窒素を固定化することができるのだけど、火星には根粒菌ごと連れ行かなきゃいけない。なかなか大変だ。
*5帰りによった駅の近くの洋食屋さんが、このランプシェードを使っていた。ここで発見されたのかな。
*6ローバーの実験用の人工の砂だと思う(そのときは驚いてて聞きそこねた)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR