高度な予約録画という点でライバル視されるのはソニーの「スゴ録」だろう。キーワード設定などによる自動録画機能である「おまかせ・まる録」は初代から、番組の放送時間変更に対応する「番組追跡録画」は2004年モデルから採用し、2005年モデルは2番組同時録画への対応も果たした。スペック上も「RDR-HX82W/92W」は、RD-XS37/57の良きライバルに見える。
もっとも自動録画機能に関しては、方向性がかなり異なるようだ。簡単にいえばスゴ録が最初から自動録画を考慮して設計されているのに対し、RD-XS37/57の場合は従来の予約録画機能に「おまかせ自動録画」を追加した形になるからだろう。
自動録画で設定可能な条件は、キーワード、番組ジャンル、時間帯、チャンネルとスゴ録とそう変わらない。否定キーワードの設定ができ、番組の抽出条件という意味ではRD-XS57/37の方がより厳密に行える。しかし設定可能な条件数は9つとRD-XS57/37は決して多くないし、ジャンルだけの指定は行えず、キーワードの指定が必須だ。たとえば“NHKの夜間のドキュメンタリー番組を全部録る”といった使い方はできない。
一方、RDらしい(?)使い方はいくらでもある。お気に入りのタレント名やアーティスト名を登録しておけば不定期に出演する番組を録り逃さずに済むし、サッカーやモータースポーツなどに多い深夜の不定期な放送の録画にも便利だ。
ただ注意点も多い。まず、1条件あたりの1日の録画時間は最大6時間に制限され、録画先のフォルダは固定で自動削除対象になっているので、HDDの容量が足りなくなると古い番組から自動削除されてしまう。また条件枚に録画モードの設定が行えず、デフォルト設定が利用される。
こういった制限は、自動録画に対するメーカーのスタンスの違いだろう。スゴ録は「おまかせ・まる録」だけで全ての予約録画を賄うような使い方も想定している。実際、初代のスゴ録では「番組追跡録画」機能はなかったものの、たとえば連続ドラマを録画するには「おまかせ・まる録」がもっとも確実だったりもしたわけだ。
対してRD-XS57/37の場合は、あくまで“録り逃し”を防ぐための補助的な機能として位置付けているようだ。番組の放送時間変更に対応する「番組おっかけ」にも対応しているので、連ドラの毎週録画ならば「おまかせ自動録画」を利用する必要もないからだ。
また、条件設定後に即座に対象となる録画予約が確認できない点もちょっと不満。「おまかせ自動録画」ではEPG情報の更新時に番組検索が行って候補をリストアップするロジックで、取得済みの番組情報では検索してくれない。また候補から録画予約が行われるのは録画直前のEPG情報の更新時のようなので、検索結果から実際にどの番組が録画されるのかちょっと把握しにくい。
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