レンズカバーをスライドさせると、約0.5秒で起動する。起動の素早さは快適でストレスを感じない。独自の屈曲光学ユニットにより、ボディ内でズーミングが行われるため、一般的な沈胴式レンズよりも起動/終了時間は有利そうだ。特にレンズカバースライドで電源をオフにした場合、カバーを閉じてからまだレンズユニットが動いているらしき音がするのだが、沈胴式とは異なり、レンズの動きが終わるのを待たずにバッグにしまう、などということもできて便利。
レンズが飛び出さないため、被写体への圧迫感が少ない点もメリットで、カメラを意識させずに自然な表情を取るときにも有効だろう。
レリーズタイムラグは約0.08秒で、AF速度も十分速く、レスポンスは合格点。連写が1.6コマ/秒・4コマまでというのが少々物足りない感じもしたが、おおむね及第点といったところだ。
本体サイズは83.5(幅)×56(高さ)×22(奥行き)ミリ、重さは本体のみで約115グラム。大きさとしては、ほぼタバコの箱と同じサイズで、ペンタックスの「オプティオ S5z」とほぼ同等。ボディはプラスチックだが、作りはよく、見た目の高級感はある。
撮影の基本は、フルオートかシーンセレクターモードでの撮影になる。オートモードの方が撮影に関する設定で変更できる項目が多く、シーンセレクターモードでは、ISO感度/ホワイトバランス/測光モード/カラーモードが設定できない。
基本的には何も考えず、被写体にピントを合わせてシャッターボタンを押せばいい。AFは通常は5点AFだが、5点のうち、どの部分にピントが合っているか分からないので、AFポイントを決めたいときは中央1点AFにするといいだろう。
前述の通り、露出補正/ホワイトバランス/ISO感度/カラーモードについては左右ボタンに割り当てができるので、よく使う機能には簡単にアクセスできるが、ほかの機能はメニューから設定しなければならないので、あまり頻繁に設定変更するという使い方には向いていない。
特定の場面での撮影であれば、シーンセレクターモードが有効だ。シーンセレクターモードでは、ポートレート/スポーツ/風景/夕景/夜景ポートレート・夜景/テキスト/スーパーマクロの7種類が用意される。オートに設定すると、ポートレート/スポーツ/風景/夕景について、被写体に応じてカメラが自動的に判別してくれる。
シーンセレクターモードでは、左右ボタンで任意のシーンを選択できる。左右ボタンのカスタマイズで露出補正を割り当てるなどしていても、このモードでは使えないので注意が必要だ。
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