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RDシリーズの新スタンダード「RD-XS57/XS37」を徹底検証(後編)レビュー(2/5 ページ)

» 2005年07月30日 12時40分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 ダビング時に16倍速、8倍速メディアを利用した場合、我慢できないほどではないが、確かにメディアの回転音は豪快。静音モードを準備したのも頷ける。高速モードと静音モードはシステム設定で切り替える必要があり、状況に合わせて使い分けるのはちょっと面倒だ。できればダビング時に指定できるようにしてほしい。

 ダビング品質を検証するのに用いたDVDメディアは、三菱化学メディア製の4倍速対応DVD-R DLメディア、日立マクセル製と太陽誘電製(That's)の16倍速対応DVD-Rメディア、SmartBuyブランドの8倍速対応DVD-Rメディアを用いた。エラーレートの計測はBenQ「DW1620」とnero「DVD-CDSpeed」を用いた簡易測定環境なので、目安程度に考えてほしい。

 それぞれのメディアにほぼ一杯に記録するように高速ダビングを行ったが、16倍速対応DVD-Rメディアでは6分を切っており、かなりの高速ぶりだ。実際には数%の空きが残る形で書き込んでいるが、目一杯書き込んだとしても6分台前半だろう。8倍速メディアが8分10秒だから、30%程度ダビング速度は短い。DVD-R DLでは27分2秒ときっちり4倍速でダビングされているようだ。

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 DVD-Rでは外周部でエラーレートが高まる傾向が見られるが、いずれのメディアもRD-XS57では問題なく再生可能であった。マクセル製ではPOFが多く発生しているが、PIEが概ね許容範囲である点を考慮すると、読み出しドライブとの相性もあるだろう。一方、太陽誘電製は相性が良いようで、極めて優秀な結果が出た。パナソニックブランドのDVD-Rメディアは太陽誘電のOEMが多いので、パナソニック四国エレクトロニクス製と思われるドライブを採用したRD-XS57/37との相性が良いのは当然かもしれない。

 再生をプレイステーション2(SCPH-30000)に移すと、マクセル製は残り数分というあたりで読み出しができなくなってしまった。やはり外周部のエラーの多さが問題のようだ。メディアの個体差もあると思うが、メディアを選ぶ傾向はありそうだ。8倍速であればSmartbuyでも許容範囲のエラーレートなので、速度と書き込み品質のバランスを考慮するなら国産メディアでも8倍速対応メディアを選択するのが正解といえそう。ちなみにマクセル製16倍速メディアは「低速(静音)」モードで4倍速相当でダビングしてもあまり改善されなかったので、どうやら相性が悪そうだ。

photo マクセル製16倍対応メディアの検証結果。PIEやPIFの平均値は許容範囲だが、外周部で極端にエラーが増加している。たまたまメディアの成型が悪く、面ブレが大きかったのではとも推測できるが、相性はあまり良くないようだ
photo 太陽誘電製16倍対応の検証結果
photo SmartBuy(Prodisc製)8倍対応メディアの検証結果。

 DVD-R DLはレイヤーが1層目の終端、外周部のレイヤーが切り替わるあたりでかなり高いエラーレートを示している。RD-XS57自身による再生はまったく問題なかったが、PS2ではレイヤーの切り換え直前あたりでリードエラーが発生し、再生が中断してしまった。ただしこのリードエラーの部分を飛ばすと後半は(つまり2層目は)まったく問題なく再生可能だ。DVD-R DLに関しては、現状ではメディアの選択肢がほとんどないので、再生機器を選ぶということになりそうだ。

 参考までに、計測に用いた「DW1620」と「PowerDVD 5」という組み合わせでは再生にまったく問題は生じていない。レイヤー切り換え部分でも再生は一瞬たりとも止まらず、最後まで再生できた。

 なおDVD-R DLでは、レイヤーの切り換え部分にはチャプターが自動設定されるので、切り換え部分を見つけるのは比較的容易だ。レイヤー切り換え部分ではコンマ数秒ほど静止画になり音声も途切れるが、「おや」と思う程度。なおブックタイプはDVD-Rのままで、一般にいわれるROM化などは行われていない。

photo DVD-R DLの検証結果。後半、つまり2層目の方がエラーレートが低いという面白い結果になった。読み出しドライブとの相性もあると思うが、PS2による再生状況を見る限り、1層目の外周部はちょっと不安だ

LPモードまでD1解像度での録画が可能に

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