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複雑な気持ちでポッドキャストとiTMS-Jに向かい合うミュージシャンインタビュー(2/2 ページ)

» 2005年08月08日 11時58分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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「10分ぐらいがポッドキャスティングにはちょうどいいのかな」

――第1回目の放送は約10分間でしたが、これは次回以降も同じ時間で継続していくのですか? なぜ10分程度という長さになったのでしょう?

朝日さん: 放送時間は毎回10分程度を予定しています。ポケット感覚というか、iPodに入れて持ち歩いて聞くことまでを考えると、10分がちょうどよい長さなのかなと思います。

photo 第1回目の放送を録音したスタジオの和室にて

 番組を始めるにあたって、Seesaaブログやケロログも聞いてみたんですが、詩の朗読なんかはすごくポッドキャストに向いているなぁと感じたんです。ポッドキャストは雑誌というより、1つの番組がそれ自体で完結する、小さな本のようなものですね。

音楽配信を巡るミュージシャンとして複雑なキモチ

――いよいよiTMS-Jがスタートしました。CDというパッケージではなく、音楽配信サービスという形で曲を提供することについて、ミュージシャンとしてのご自身はどのようなお考えをお持ちですか?

朝日さん: 「朝日さんの曲もiTMS-Jで売りませんか?」と聞かれたとき、実は即答できませんでした。「売ってもいいんだけど……」というのが正直な感想でした。作り手としても、リスナーとしての経験でも、パッケージへの思い入れがあるので、配信で販売するというのが、何か、そっけないような、白盤(プロモーション用などに使われるサンプル盤)を安く提供する、みたいに感じてしまうんですよね。「ちょっとあの曲を聞いてみたい」というときには便利なのはわかりますし、自分も利用するとは思うのですが…。

 シングルは配信のみでもいいと思うんですが、アルバムはパッケージを凝って作りたい。配信で購入した人もブックレットを別に購入できたらいいですね。

 でも、音楽配信がシックリくるかこないかは、音楽の種類にもよると思うんです。土方さんの自然環境音の場合、5.1chオーディオのようなきちんとした環境で聞いてみたいと思う反面、仕事中に背中で聞くような「音の壁紙」として楽しむこともできます。その場合には、ネットで1曲単位で購入できたほうが便利ですよね。

 配信、といったときに、何か、お金を払って音楽を購入する、というより、ラジオをフリーでダウンロードするポッドキャスティングの方が感覚的になじめましたね。

――ご自身も“なじめた”ということならば、ポッドキャストの2回目以降も楽しみですね

朝日さん: 2回目は東秩父の山中で収録した、鳥や虫の声を中心に放送します。収録時間が長いので、前後編に分けるかもしれません。今のところ隔週で更新するつもりですが、何が起こるか分かりませんよ。なにせ、まだまだ手探りですから(笑)

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