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誰もが使える“万能選手”――松下LUMIX「DMC-FX9」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年08月10日 11時46分 公開
[小山安博,ITmedia]

こなれた操作性と大画面/高精細液晶

 基本的なデザインや操作性はFX8と同じだ。本体サイズは約94.1(幅)×約50.5(高さ)×約24.2(奥行き)ミリ、本体のみで約127グラムであり、FX8と全く同じ値となっている。

photo 本体背面。大型の2.5インチ液晶が背面左側にあり、操作ボタンは右側に集約されている。連写/削除ボタンとディスプレイボタンは下部ギリギリにあるため、片手で操作すると落としそうになる。もっともよく使う十字キーとMENUボタンは片手でも操作しやすい位置にある

 撮影は、本体上部の電源スイッチを左にスライドさせると電源が入り、レンズがせり出す。ズームレバーはシャッターボタンと一体化しており、迷わず操作できる配置。

photo 本体上部。一番左にスライド式の電源スイッチ、ズームレバー一体型のシャッターボタン、手ブレ補正ボタンが並ぶ
photo 手ブレ補正ボタン長押しで、MODE1/MODE2/手ブレ補正OFFが選べる。基本的にはMODE1で使い続けて問題ない。MODE2はレリーズの瞬間だけ手ブレ補正が働くモードだ

 背面上部にはモードダイヤル、中央に十字キー、その下にディスプレイボタン、連写ボタンが並ぶ。十字キーには、上に露出補正、右にフラッシュ、下にレビュー、左にセルフタイマーがそれぞれ並ぶ。

 上ボタンは一度押すと露出補正で、もう一度押すとオートブラケットの変更ができる。オートブラケットがこれだけかんたんに設定できるコンパクトデジカメはそう多くないので、これは評価できる。

 下ボタンを押すと直前に撮影した画像を再生できる。面白いのはレビュー時と、通常の再生モードでの拡大倍率の違いだ。いずれの場合でもズームレバーで拡大再生ができるのだが、レビュー時だと、最初の拡大倍率が4倍で、一気に大きく表示される。これは、再生後すぐのピントやブレのチェックに便利で、うまい工夫だ。

photo レビューボタンは、ヒストグラム表示も可能で、再生モードとほとんど同等に利用できる。拡大再生が4倍から始まるので、ピントや手ブレのチェックに便利

 FX8との大きな違いの一つに、液晶モニターの高精細化が挙げられる。従来の2.5インチ/11.4万画素から2.5型/20.7万画素になり、より細かい部分まで表示可能になった。液晶パネルは、表示の明るさ、色再現性ともに優秀で見やすい。ディスプレイボタン長押しで、液晶のバックライトが40%明るくなる機能も便利だ。

 大型液晶を生かした9コマ/16コマ/25コマのサムネイル表示も用意されている。FX8では9コマ表示のみだったので、高精細化の恩恵だろう。

 マクロモードや再生モードが、ボタンではなくモードダイヤルで設定する点は従来通り。またメニューなどの設定で、上下で項目を選択、右で確定する操作性も、同社製品に共通する仕様だ。

 十字キー中央のメニューボタンはキャンセルとして働くのだが、中央ボタンが決定であるカメラも多く、個人的には一瞬とまどうこともあったが、同社製カメラでは一貫した操作性であり、慣れさえすれば特に迷うことはない。総じてバランスの取れた操作性だ。

 LUMIX独特の「かんたんモード」も備える。初心者が使うときなど、難しいことを考えずに撮影したい場合に有効なモードだ。アイコンも大きくなり、露出補正が「逆光補正」と表現されるなど平易になっており、カメラのことはあまり詳しくないという人でも使いやすいだろう。

photo かんたんモードに設定すると、大きなアイコンとポップな色づかいになる

 詳細な撮影設定はメニュー内にある。ホワイトバランス/ISO感度/アスペクト設定/AFモード/カラーエフェクト/画質調整といった項目が変更でき、設定項目は多めだ。ISO感度やホワイトバランスはもう少しかんたんに変更できると良かったが、そこまでを求めるカメラではないと言えるので、大きなマイナスポイントではないだろう。

photo メニュー画面。設定項目は多め

誰にでも使いやすい万能選手

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