電源ボタン、オート/シーンモードボタン、動画ボタンのいずれを押した場合でも起動し、沈胴式のレンズがせり出す。起動時間は実測で約2秒とまずまず。AFスピードも特に不満のないレベルで、暗所でも補助光のおかげで比較的高速に合焦する。
撮影するための起動ボタンが3種類あるのはいいのだが、オート/シーンモードボタンと電源ボタンの違いがない点が気になった。電源ボタンを押しても、オート/シーンモードボタンを押しても、まずはオートモードで起動し、シーンモードを使いたい場合は、改めてオート/シーンモードボタンを押す必要があるのだ。
同様に、電源をオフにすると、今まで選んだ設定がクリアされてしまう点も気になった。設定がクリアされるのはホワイトバランスやISO感度、カラーモード、測光方式といった主要な撮影設定。このカメラのスタンスとして、基本はオートでの撮影で、設定を変更しても次の被写体を撮るときに間違えた設定で撮影しないように配慮しているのだろう。
しかし、意図的に設定を変更したい場合は、いちいち設定を変更しなければならないのが面倒だった。もっとも、いつも使う設定がある場合は、シーンモードにある「カスタム」を利用すればいい。このモードに限って、上記の設定が電源オフ後も保存されるので、頻繁に使う設定はこのモードで記憶させればいいだろう。
メニュー画面は4画面にわたり、変更できる項目は多い。見た目は少し独特なインタフェースだが、上下で項目を選択し、十字キー中央のOKボタンで選択していく操作性は一般的で使いやすい。
ホワイトバランスとISO感度の設定がメニュー画面の4番目、5番目と深い階層にあり、あまり簡単に変更できない点が残念。しかし、カラーモードとして「ナチュラルカラー」「シックカラー」「ヴィヴィッドカラー」「白黒」「セピア」の5種類が用意されている点はいい。特にコダックは、フィルムメーカーとして独自の色使いが特徴とされており、カラーだけで3種類も選べるのは嬉しい。
メニュー画面の最下部からは細かいカメラ設定画面へ移行できる。カメラ操作音や液晶の輝度、縦横補正の設定などはここから選べる。
撮影中の操作性でもっとも使いやすいのが、十字キー左右でダイレクトに露出補正ができる点。ただしこの機能はオートモードかカスタムモードでしか利用できない。それ以外のシーンモードでは露出補正は行えず、カメラまかせになる。
シーンモードはホワイトバランスやAFモードなどの設定を自動で適用してくれるので、初心者でも簡単に撮影できる。シーンモードはカスタムモードを入れて20種類を用意。ポートレート/スポーツ/遠景/マクロ/夜景ポートレート/夜景/スノー/ビーチ/書類/花火/フラワー/マナー/美術館/セルフポートレート/パーティ/チャイルド/逆光/流し撮り/キャンドルライト/サンセット/カスタムと、一般的な使用では十分だろう。
露出補正以外にも、シーンモードではISO感度やホワイトバランスの設定もできないので、オート以上に、ただシャッターを押すだけできれいな写真が撮れるように配慮されている。
シーンモードは20種類もあるが、画面上にアイコンで一度に表示されるので、視認性がよく、選びやすい。アイコンを選択すると一言の説明も表示される点も使いやすさに貢献している。
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