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“コダックの本気”はプリンタとのセットで――V530&プリンタードックレビュー(5/6 ページ)

» 2005年08月12日 18時10分 公開
[小山安博,ITmedia]

ポンと置いて、いつでもプリント

 コダックのデジカメの特徴に、EasyShareソリューションが挙げられる。デジカメ、ソフトウェア、プリンタがセットになったソリューションだが、特に「Kodak EasyShareプリンタードック シリーズ3」が便利だ。

photo プリンタードックにV530を設置したところ

 持ち運べるサイズの小型プリンタで、プリンタの上にカメラとの接続端子を設け、カメラをポンと置くだけでプリントからカメラの充電、カメラからパソコンへの画像の転送、そして印刷が可能だ。小型のクレードルが付属するカメラは比較的あるが、クレードルにプリンタが一体化したと思えばいいだろう。

 使い方は非常に簡単だ。印刷の場合は、プリンタードックにカメラを置くと自動的にカメラが起動し、最後に撮った画像が表示されるので、あとはドック中央のプリントボタンを押し、さらに印刷枚数を選び、もう一度プリントボタンを押せばいい。

photo プリントボタンは本体中央にある。左右キーとプリントボタンだけで印刷が可能だ

 プリンタードック シリーズ3は、昇華型熱転写方式のダイレクトプリンタで、Lサイズの写真を75秒(ダイレクトプリントの1枚目は100秒)でプリント可能だ。

 最近のデジカメは、PictBridgeに対応しており、プリンタとUSBで接続、簡単な操作で印刷できるが、このプリンタードックは、ケーブル不要な点が使いやすい。しかもクレードルとしての利用もできるため、撮影が終わったらポンと置いて、パソコンへの取り込みと充電をしつつ、そのまま印刷までできる優れものだ。

 同じようなコンセプトのプリンタにキヤノンの「SELPHY CP600」などがあるが、カメラとの連携という点ではプリンタードックが一歩先を行く。連携するV530も、カメラ内でのトリミング、お気に入りだけをプリントといった機能を備え、手軽に簡単に写真プリントができる。

photo カメラ内でトリミングが可能

 解像度は300dpi、インクはイエロー/マゼンタ/シアンに加え、コダックXTRALIFEラミネート加工(オーバーコート)も施すため、耐久性と防水性に優れるなど、基本的なスペックはCP600に劣らない。CP600はLサイズで約54秒(フチなし)という高速性とわずかに軽量な点、バッテリー駆動が可能など、プリンタードックのデジカメとの連携に負けないメリットも備えるが、より簡単にプリントするという意味では、プリンタードックに軍配が上がりそうだ。

プリンタとの連携が何より便利で楽しい

 V530は、デジカメとしては非常に一般的な作りだ。500万画素/光学3倍ズーム/2インチ液晶/高品位な小型軽量ボディといった特徴を備えるデジカメは、国内各社から、多くのモデルが登場している。

 ただ、コダックらしい色へのこだわりは健在で、デザイン的にも操作性としても癖がなく、日本人にもなじみやすい製品に仕上がっている。

 またプリンタードックとの連携機能は優れており、これならデジカメプリントをもっと頻繁に行う気にさせる。クレードルとしては大きく、設置場所に多少悩む面もあるが、充電とパソコンへの取り込みのついでにプリントができるのはいい。

 V530は、単体でも味のあるカメラだが、やはりプリンタードックと一緒に手に入れたい製品だろう。

V530の作例

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