大きなハンドルはしっかりしていて、水に濡れた手でも滑らず、またS字フックを利用すれば、浴室内のタオル掛けなどにぶら下げることができる。本体が薄型でCDカバーが出っ張っていて床置きは不安定そうに思えるが、背面下部の乾電池が重心を下げており、見た目より安定していた。底面はゴム足付きのため、濡れた床面などに設置する場合も滑らない。
電源と再生ボタンが兼用になっていて、1回押せば再生を開始する。CDを入れた直後は、まず曲数と演奏時間を表示して、次いで液晶画面上の「アンチショック」表示でバッファしている様子がわかるのがユニークだ。
CD再生は、基本的な機能を網羅。一時停止、リピート再生、シャッフル再生が可能だ。「一曲送り」「一曲戻し」ボタンは、長押しすると「早送り」「早戻し」になる。リピート再生では、「くり返し選択」ボタンを押すたびにモードが切り替わる。1曲を演奏し続ける1曲リピート、全曲リポート、曲の頭から10秒間ずつを再生するイントロ演奏、シャッフルがあり、選択中のモードは液晶画面で分かる。操作に迷うことはまずない。
さて、注目のボーカルカット機能は、一般CD用と音声多重音楽CD用の2つが用意されている。一般的なCDの場合、演奏はステレオ、音声(ボーカル)はモノラルで収録しているため、左右のチャンネルに等しく入っている成分を打ち消すことで、ボーカルカットを行える。一方の音声多重CDは、左チャンネルに演奏、右チャンネルにボーカルを記録したもの。こちらは単に右チャンネルをキャンセルするというわけだ。
ボーカールカットモードもボタンを押すたびに切り替わるスタイルで、選択中の再生モードは画面下のLEDで表示する。緑なら音声多重CD、赤は一般CD用の再生モードだ。実際に何枚かのCDで試したところ、少し全体的に音量が下がる傾向はあるものの、バックコーラスを含む演奏を残してボーカルだけキレイに消えてくれた。
カラオケとして使用する場合、イントロ演奏と1曲リピートが便利だ。イントロ演奏で目的の曲を探し当てたら、1曲リピートに切り換えて歌いまくり。マイクがないのは残念だが、風呂場では適度に音が反響して気分を盛り上げてくれる。歌詞が分からなくても、ボーカルカットをオフにして早戻しすればいい。ボタン操作が容易だから練習の効率も上がるというものだ。
「AV-9159PW」が再生できるのは、一般的な音楽CDと音声多重CDのみ。MP3やWMAを再生できるわけでもなく、イマドキのCDプレーヤーとしては機能面が物足りない印象を受けるかもしれない。ただ、CD再生とカラオケという基本機能には忠実で、デザインに操作の分かりやすさ、単純明快な使い勝手と合わせて好感が持てた。
カラオケに行くための練習、あるいは日頃のストレス解消のため……使い方はその人次第。お風呂でも使えるCDプレーヤーを探しているのなら、カラオケという付加価値は意外とイケルのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR