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電池切れや失敗写真の心配いらず――カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z500」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年08月29日 09時15分 公開
[小山安博,ITmedia]

 最近のカシオのデジカメでは、「アンチシェイクDSP」を搭載し、高感度撮影による手ブレと被写体ブレの軽減を狙った機能が採用されている。ちょうど富士写真フイルムと同じ考え方で、光学手ブレ補正機能とは異なり、被写体ブレも軽減できるというメリットがある。

photo BSの「高感度」「ブレ軽減」を選んだ上で撮影設定の「ブレ軽減」をオートにする

 その点、高感度撮影時のノイズの少なさが肝となるわけだが、結論から言って、画質はあまりきれいではない。画面全体のざらつきと描画の破綻が大きく、正直なところ、緊急避難的な利用にとどめておくのが正解だろう。

 EX-Z500では最高感度はISO800で、BSの「高感度」か「ブレ軽減」を選び、さらに感度設定をオートにした場合のみ選ばれる。直接指定ではISO400までしか選択できない。

 いずれにせよ、BSを使うことで撮影の幅を広げられるのは事実だ。EX-Z500は、設定項目が多い点はメリットとも言えるが、ボタン数が少ないために設定に一手間がかかるとも言え、それを補う意味でもBSは快適な撮影を可能にしてくれる。

 それ以外にも、17〜50センチの近接撮影時に、自動でマクロモードに切り替わるオートマクロモード、フラッシュ撮影時の暗くなりがちな背景を感知し、暗い部分を明るく補正する「フラッシュアシスト」、シャッターボタン一気押しで高速なAFを行う「クイックシャッター」といった便利機能も搭載する。

高度なムービーもお手の物

 従来通り、高度なムービー機能も継続されている。640×480ピクセル・30fpsのなめらかな動画撮影が可能で、撮影したムービーをカットする「ムービーカット」、動画再生中も拡大表示できる「ムービー再生ズーム」、ムービーのうちの9コマまたは1コマを静止画にする「モーションプリント」といった機能も備える。

 伝統のクレードルはもちろん同梱される。パソコンやTVへの接続はクレードルに置くだけと簡単で、プリンタへの出力も可能。カメラ部にそうした接続端子がない分、外出先で出力するためにはクレードルを持ち歩かなければならないが、それさえ気にならなければ、カメラの外観もシンプルになり、クレードルの使い勝手もいい。

 充電にもクレードルが必要だが、前述の通り非常に長寿命のため、よほどヘビーな使い方をしない限り、2〜3日の旅行でも電池切れを気にする必要はなさそうだ。

 また豊富なBSとレスポンスをはじめとする使いやすさから、「こんなシーンを撮りたいときに、どんな設定をすればいいか分からない」「このシーンはきれいに撮りたい」という期待に応えてくれる。

 EX-Z500は、撮影も、電池切れの心配もない、安心できるカメラだと言えるだろう。

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