カーナビやカーオーディオとは異なるが、車内のAV環境としてモバイル放送の衛星放送「モバHO!」も紹介しておきたい。
モバHO! は、衛星を利用したモバイル向け放送で、MPEG-4の映像を端末に配信、携帯型の端末などで受信して視聴する。サービス開始当初はモバイル型端末だけだったが、今年に入って車載機器用端末もリリース。車載時は、カーナビのモニターに出力するなどして放送を視聴する。今年秋から冬にかけて、圧縮方式にH.264を採用する予定で、映像の高品質化などが図られる。
衛星を使うため受信可能エリアが広い点が特徴で、すでに全国の主要道路95%をカバー、この中にトンネルは含まれていないが、再送信装置(ギャップフィラー)を設置し、トンネル内でも受信できるよう作業を進めているところだ。
アナログテレビ放送とは異なり、走行中も安定した放送の受信が可能で、車内のAV環境向上を訴求ポイントとして、車を持ち込んでのでも展示を行っている。
「次世代オーディオ」として、DVDオーディオとSACDという2つの新しい規格が登場している。いずれもCD以上の高音質を実現する仕組みで、DVDオーディオは映像も併せてメディアに保存できる点が優位点とされているが、コンテンツについてはSACDの方が現時点では優勢だろう。
家庭用のAV機器では、DVDオーディオやSACD対応プレーヤーが登場しているが、車載機器での対応は遅れ気味だ。現時点ではアルパイン、パイオニア、クラリオン、ケンウッドがDVDオーディオ対応機種を出しているが、いずれも一部モデルのみ。トヨタ自動車は純正オーディオで対応を進めており、導入に積極的だが、現時点で対応製品を出していないメーカーからは「様子見」といった声が聞かれる。
SACDについては、車載機器での対応端末はまだなく、旗振り役のソニーのカーナビ/カーオーディオも対応は未定だという。
DVDオーディオの推進役であるDVDオーディオプロモーション協議会もブースを出しており、現在の対応製品などを紹介しているが、やはりコンテンツ不足がネックといえる。
ただ、今まで使っていた「それほど高級じゃない車載スピーカーでも、DVDオーディオを再生すると驚くほど音が違う」(協議会ブースの説明員)ということで、「一度聞くとCDに戻れない」(同)レベルだそうだ。
DVDオーディオのメリットは理解しつつも、車載機器メーカー側は市場の動向を見つつ製品展開をしていく考えで、車載機器の次世代オーディオ対応の普及は現時点では不透明のようだ。
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