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ワイヤレスを手に入れたデジカメの快適さ――ニコン「COOLPIX P1」レビュー(2/6 ページ)

» 2005年09月22日 21時17分 公開
[小山安博,ITmedia]

豊富な設定項目はハイエンドに匹敵

 本体上部の電源ボタンを押すと、約3秒で起動、レンズがせり出し、撮影可能になる。起動時間は決して速いほうではない。

 レンズは光学3.5倍のズームニッコールレンズ。焦点距離は36〜126ミリ(35ミリ判換算時)、F値はF2.7〜F5.2。ズームが3.5倍とやや中途半端な焦点距離だが、少しだけ遠くまで撮れるのでちょっと得した気分。レンズは非球面レンズ2枚を含む6群7枚構成で、テレ端の開放F値がやや暗いが、特に屋外の晴天では質の良い写りをする。

 撮像素子には、ハイエンドコンパクトデジカメで最近主流の有効画素数800万画素の1/1.8型原色CCDを採用する。ニコンは特に画像処理エンジンの名称を公開していないが、解像感も高く、素直な写りをする。

 撮影はモードダイヤルでオートかP(プログラムオート)、A(絞り優先オート)、そしてシーンモードに設定して行う。このクラスで絞り優先が用意されているのはうれしい。

 面白いのが、ホワイトバランス、ISO感度、画質/画像サイズの設定がモードダイヤルに割り当てられている点。主にP/Aでの撮影時にこれらの設定が変更できる。P/Aモードでも、メニューボタンからこれらの設定はできるのだが、ボタンを押して、マルチセレクター上下で設定項目を探して……と設定するよりも、素早く設定できる可能性がある。

 主にカメラの機能的な設定を行う「SETUP」がモードダイヤルに配置されている点は、COOLPIX 7900などと同様。3ページ分にわたる豊富な設定項目が用意されている。

 オートモードは、設定項目もほとんどなく、とりあえず悩むことなく撮るためのモード。メニューボタンは無効化されており、モードダイヤルの画質と画像サイズのみ変更可能。

 そのほか、マルチセレクターに割り当てられたフラッシュモード/露出補正/フォーカスモード/セルフタイマーの設定は変えられる。

 一般的な撮影では、P/Aモードのいずれかを使うといい。メニューボタンからホワイトバランスや連写、BSS(ベストショットセレクター)、ブラケティング、ISO感度など、4ページにわたる豊富な設定項目が変更可能だ。

photo 設定項目は多く、かなり細かい部分まで設定できる。4画面にもわたるため、希望の機能を探すのに少し手間取る

 設定項目としては、フラッシュの発光量を調整する調光補正、コントラストを変更する階調補正、シャープネスを変える輪郭強調、彩度を変更する彩度調整まで設定可能で、コンパクトデジカメながら非常に設定項目が多い。

photo 初心者はオート、ちょっとこった撮影をしたい人はP/Aモードで撮影、というすみ分けのため、オートモードではメニュー画面は全く利用できない

 例えばAFは9点測距だが、AF位置をマニュアルで設定することもできる。その場合は99カ所からの選択となり、AFエリア内をほとんど自由に移動させることができるのは便利。モード選択が、メニュー内の階層深くにあるのが少し不便だが、特にマクロ撮影時などで活用できる。

 AFポイントをマニュアルにした場合は、測光方式でAFスポットを選択するといい。AFポイントを中心として測光するので、逆光時などでも有効だ。

 メニュー画面での設定項目が多いため、いちいち設定を変えるのが面倒な場合は、カスタム設定を使えばいい。メニュー画面で選んだ設定を2つまで保持できるので、「マクロ撮影用」「人物撮影用」などといった用途に応じて保存しておけば、簡単に設定を切り替えられる。

 モードダイヤルでも設定できるホワイトバランスが、メニュー画面の一番上にある一方、ISO感度設定は2ページ目の一番下にあるのは少し疑問。AFエリア選択と測光方式が1ページ目と3ページ目と離れているのも改善してほしいところだ。

 ただ、メニューで設定を行い、撮影した後にもう一度メニューボタンを押すと、直前に設定していた項目があらかじめ選択されているので、設定を次々と変えて撮影する分には支障はない。

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