面白いのは、やはり撮影&転送だ。このモードでPCと接続すると、その状態で撮影した画像は無線LANでPCに自動で転送され、保存される仕組み。画像取り込みまで数秒かかるため、素早く撮影する用途には使えないが、じっくりと撮影して、すぐさま撮影結果を確認したいような、たとえばネットオークション用の商品撮影などでは使えるのではないだろうか。
撮影した画像は、付属の画像管理ソフト「PictureProject」を使えば、撮影日ごとに取り込まれ、管理も簡単だ。
最初の設定が手間で、無線LANの接続までやや間があるところが難点だが、ケーブルレスで画像転送が行えるのは快適だ。無線LANのため、カメラとPCが離れた場所にあっても転送ができるので、そういった場合に特に効果を発揮しそうだ。これでもう少し転送がスピーディーになったら、もっと快適だっただろうと思う。
Microsoftは、無線LANでカメラとPCを接続し、Windows上から撮影操作や画像の転送が行えるようなソリューションを提案している。昨年ドイツで開催された写真機器関連の展示会photokinaでは、このMTP(Media Transfer Protocol)に関するデモも行われていたが、今後無線LAN+デジカメ+Windowsはいっそう使いやすくなっていくことが見込まれる。実際に使ってみると、無線でのカメラ画像の転送は便利なので、さらなる機能向上を期待したい。
COOLPIX P1は、簡単な操作性で初心者でも扱いやすいカメラを目指しつつ、高度な撮影や便利な機能を満載したいじりがいのあるカメラだ。しかも無線LANを内蔵し、画像転送からケーブルをなくしたことで、新しい世界を垣間見ることのできる、先進的な製品に仕上がっている。
紹介した機能以外にも、顔をきれいに写す「フェイスクリアー機能」、顔認識AF、アドバンスト赤目軽減、4センチまで近寄れるマクロモード、より鮮明な画像だけを自動選択するBSS(ベストショットセレクター)、約2.3コマ/秒・5コマまでの連写、640×480ドット・30fpsの動画撮影、約32Mバイトの内蔵メモリなど、豊富な機能を備えている。
CIPA規格で約180コマという撮影可能枚数は不安で、1日中使っていると心もとない面はあるし、起動時間や操作レスポンスで一瞬気になる場面もあったが、基本的な性能は高く、使い勝手もいい。
今までのカメラにはない新しい機能を求めている人、簡単にきれいな写真を残したい人、そういった人にお勧めできる製品だ。
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