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“使える”動画再生も搭載──完成度の高い小型プレーヤー「mpio-one」(4/4 ページ)

» 2005年09月27日 19時00分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 今回はあえてビットレートや画面サイズ、ファイル形式もまちまちの動画ファイルを変換してみたが、結果としてはマニュアルに記載されているとおり、「1分=1Mバイト強」の容量となる独自形式ファイル(.mp4)が生成された(AVIファイルは若干容量が大きくなるようだが)。1Gバイト版を利用するならば、900分以上(30分番組ならば30本以上)を収納できる計算だ。

 エンコードにはCeleron 2GHz/メモリ768Mバイトを搭載したPCを利用したが、30分番組のエンコードには約15分の時間が必要だった。今となっては旧式なCPUを搭載したマシンでもこの程度の処理時間で済む上、PMP Transcoderは複数のファイルを一括して処理できるため、帰宅してすぐにエンコードを仕掛けておけば、就寝前には処理は完了するだろう。

 本製品での再生画質だが、ディスプレイサイズが小さく、解像度も高くないためにとても鮮明といえるものではない。全体的にフォーカスが甘い感じになってしまう。キャプションがかろうじて認識できるかなという程度だが、凝視するような使い方をする製品ではないことを考えると、十分実用的だと思う。音声のクオリティは十分で、聞きにくいということはない。ただ、経過時間とボリュームが常に画面上部にオーバーレイ表示されてしまうのはいささか気になるところだ。

photo TVで録画したファイルを本製品で再生。写真では伝わりにくいかもしれないが目視の限りでは十分視聴に耐える
photo 画面の荒さはアニメの方が気にならないかもしれない

 今回は音楽と動画再生に中心に本製品を見てみたが、全体を通して感じたのは製品としての完成度の高さだ。これまでにも、「音楽も動画も」というプレーヤーはいくつか登場しているが、ソフトウェアも含めた全体的な完成度という点では特筆すべき完成度を持っているように感じた。

 パッケージには詳細な内容を記載した「ユーザーズマニュアル」のほか、各機能を簡単に説明した「クイックインデックス」、音楽ファイルの生成・転送の手順だけを抜き出して説明した「はじめてのmpioかんたんガイド」の3冊が付属する。多機能なだけに操作が煩雑になりやすい本製品だけに、マニュアルの充実は嬉しいところだ。

photo マニュアルも充実している

 アドテック直販サイトにおける本製品の価格は256Mバイト版が1万7800円、512Mバイト版が2万2800円、1Gバイト版が2万7800円。同じく2万7800円で4Gバイト版が用意されているiPod nanoに比較すれば価格用容量比は高いと言わざるを得ないが、本体の質感も高く、動画再生機能も実用的な域に達していること考えれば、十分に検討に値する製品といえる。

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