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近づく“Blu-ray Discの素晴らしき世界”CEATEC JAPAN 2005(3/3 ページ)

» 2005年10月06日 03時49分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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麻倉氏:「いよいよ来年にはBD-ROMが登場するわけですが、BD-ROMの特徴をあらためて教えて下さい」

西谷氏:「高画質・高音質――と、クチでいうよりも百聞は一見にしかずで、実際に体験してもらう方が早いでしょう。その映像を一度見てしまうと、VHSやDVDなどの従来のコンテンツには戻れない。フルHDのディスプレイの能力を最大限に出せるものが今はないですが、それを生かせるのがBD-ROM」

麻倉氏:「BDに関してはHDMIでしか出力しないというアナログ出力問題が一時期話題となりました。これはどうなったのですか?」

小塚氏:「アナログ出力を規制する技術としてはICTという仕組みが導入されており、アナログ出力を制限するような枠組みはあります。これについては、どう使うかを検討中。例えば期間は限定されるがアナログでも出力させるという使い方も可能。メーカーとコンテンツプロバイダーが一緒になって検討している段階」

キャネル氏:「HDでやるなら、HDで徹底してやりたい。HDMIという1つの端子ですべてできてしまうのは、ユーザーエクスペリエンスとしてもいいと思います」

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西谷氏:「本気でコピーをしようとするなら、どこからでも取り出してしまうでしょう。それはたぶん偽札を作るよりも簡単かもしれない。信号出力を規制するよりも、ディスクを作成できないようにする技術を作るのも大事」


(番外)コピーワンス問題の新展開

 麻倉氏のCEATECパネルディスカッションで恒例となった「コピーワンス問題」だが、今回もやはりその話題が飛び出した。

 昨年のCEATECのBDパネルディスカッションで、麻倉氏が「ブルーレイは大好きだがコピーワンスは大嫌い」とコピーワンス問題を提起したことが業界の大きな話題となった。

 その声が届いたのか、先日の総務省情報通信審議会の中間答申にて、下記のようにコピーワンスの見直しが提言された。

 「コピーワンスの現行の運用を固定化する必然性はなく、私的利用の範囲で視聴者の利便性を考慮して運用の改善に関係者一体となって対応していくことが必要」

麻倉氏:「エンドユーザーからの抗議の声はけっこう効くのです。以前BSデジタル放送のコピーワンス信号が誤った使い方をされたときもユーザーからの声で改善された。アナログでこれまで可能だったことを継承し、さらに新しい魅力が加わるというのが、ユーザーにとってのデジタルの御利益でなくてはならない」

 麻倉氏は、ハイビジョン番組が余りに素晴らしいのにパッケージメディアが壊れたら永久に見れない点や、粗悪な色素ディスクからコンテンツが消える可能性、将来互換性の問題、コンピレーション作成ができない点、HDDから低い画質のフォーマットにダビングしても元のハイビジョン映像が消えてしまう点など、コピーワンスの弊害を指摘。同氏が考える「望ましい環境」を図式にして紹介した。

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