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スイバル+10倍ズームはデジカメの楽しさ――ニコン「COOLPIX S4」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年10月12日 09時24分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ポートレートでは「顔認識AF」や「ポートレート」が選べるほか、被写体の人物が左にいるか2人なのか、といった構図に応じたガイドラインが液晶に表示される。風景モードでも、山のガイドが表示されるなど、使いやすさに配慮されている。

photo 一部のシーンモードで画面に表示されるガイド。ある程度構図の参考になる

 顔認識AFは、人の顔を判断してそこにピントを合わせてくれる機能。すでにCOOLPIXシリーズではおなじみの機能で、人物写真を撮る場合は、このモードにしておくとAFを外すことはあまりないので、安心して使える。

photo アシスト機能は一部のシーンモードで用意。画面はポートレートのアシスト機能

バッテリーの持ちは十分

 再生は背面の再生ボタンを押す。電源オフの場合でも再生ボタン長押しで再生画面で起動する。再生速度は特別高速ではないが、不満はないレベルを確保している。再生時のサムネイルは6コマ表示まで可能。

photo 再生画面。表示される撮影情報は多くない

 再生画面で便利なのが、ニコンのコンパクトデジカメで最近標準となった「D-ライティング」。暗部のみ明るくしつつ、明部の明るさは維持する画像編集が、カメラ上だけで行える。

photo サムネイル表示は6コマ

 撮影機能にこったCOOLPIX P1などは、再生画面でも豊富なEXIF情報を表示したり、撮影日ごとの写真を表示したりできるが、残念ながらS4ではそういった機能は搭載されていない。撮影機能と同様に、気軽に撮って、とりあえず画像を確認する、という使い方が前提ということだろう。このあたりは割り切るしかなさそうだ。

 拡大再生中にシャッターボタンを押すと、拡大している範囲を切り取って別ファイルに保存してくれるCOOLPIXおなじみの機能も健在。D-ライティングと同様、PCを使わなくても簡単にこういった作業が行える操作性はいい。

 そのほか、約13.5Mバイトの内蔵メモリーを搭載する。バッテリーは単三形乾電池にも対応し、撮影可能枚数は、CIPA規格でアルカリ乾電池約160コマ、リチウム電池約450コマ(公称)。電池寿命は短くはないので、安心して撮影できる。リチウム電池を使えば、2〜3日は使えるぐらいだ。

photo 記録媒体はSDカード。乾電池は2本を使用する。持続時間は、一般的な用途であれば十分だろう

 S4は、独特のスイバルデザインと光学10倍ズームにより、普通のデジカメでは決して撮れないような被写体も撮影でき、「これぞデジカメ」といった使い方が可能なカメラだ。高度な撮影ができるわけではないが、ハイアングルからローアングル、近景から遠景まで、さまざまなシチュエーションに対応できる製品だ。

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