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ほぼ全レンズで手ブレ補正が使える――コニカミノルタ「αSweet DIGITAL」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年10月18日 09時26分 公開
[永山昌克,ITmedia]

多機能を合理的にまとめたSweetな操作系

 操作面では、従来モデルから受け継いだナビゲーションディスプレイが便利だ。2.5型の大型液晶には、絞りやシャッター速度、露出補正、感度など各種の情報が表示され、それを見ながらボタンやダイヤルを操作し、それぞれの値を変更できる。その表示は、カメラを縦に構えると自動的に縦向きに切り替わり、ファインダーに顔を近付けるとアイセンサーが作動して自動消灯する。

photo ナビゲーションディスプレイを表示した状態。液晶は2.5型と大きいが、画素数は約11.5万画素とやや粗い

 ボディ上部のモードダイヤルでは10種類の露出モードを選択でき、グリップ部のダイヤルではプログラムシフトや絞り、シャッター速度の調整などを行える。α-7 DIGITALのように背面と前面の2ダイヤルではなく、ダイヤルは1つしかないので、露出補正やマニュアル露出モード時の絞り選択にはボタンを併用する。2ダイヤルのほうが使いやすいと思うが、この価格帯のデジタル一眼レフ機としては標準的な操作系だ。

photo 上部の左側にホワイトバランスの専用ダイヤルを設けたのが特徴的。ホットシューは同社独自の形状だ

 ただしカスタムメニューによって、マニュアル露出モード時のダイヤル操作を絞りとシャッター速度のどちらかに切り替えられる点は、このクラスの製品としては気が利いている。さらに、AFでピントが合わなくてもシャッターが切れるかどうかの設定や、合焦時に光るAFフレームの投光時間の調整、AEロックボタンの操作方法なども細かくカスタマイズ可能だ。

 電源を入れるとボディが一瞬ぶるぶるっと振動し、約1秒で撮影スタンバイになる。ピント合わせは、AFエリアを9点から自動または手動で選択でき、AFスピードは快適なレベル。撮影や再生のレスポンスにもストレスは感じない。

 ボディは樹脂外装だ。グリップ感は良好で、シャッターボタンは指がピッタリとフィットする位置にある。ただし、シャッターボタンの感触がやや硬いのと、シャッター音が大きめなのが気になった。また背面の十字ボタンの感触がペコペコしているのもいただけない。この感触では、うまくまとまったせっかくの操作系が台無し。製品の仕上げに、ツメの甘さを感じる。

photo 外装は樹脂製で高級感はあまりない。また、外装のつなぎ目や段差が多く、シルバーボディではそれがより目立つ

 ボディのデザインについては、賛否が分かれるだろう。今どきありがちな曲線的なフォルムではなく、昔ながらのカメラを彷彿する角張ったデザインである。1アクション1機能を徹底していたα-7 DIGITALに比べると、ボタンやレバーの数は減ってはいるが、それでも操作部材の出っ張りは目立つほうだ。

photo 標準ズームを装着した場合のホールドバランスやグリップ感はいい。バッテリーグリップには対応しない

 もっとスマートにデザインしたほうが女性受けしたと思うが、カメラいじりを楽しむマニア層にはこのほうが好まれるかもしれない。ちなみに広報資料によると、ネーミングのSweetは「甘い」ではなく「やさしい、簡単に扱える」といった意味らしい。勝手に、甘い菓子=女性という短絡的な連想をしたが、それなら納得だ。

photo レンズマウントは「コニカミノルタαマウント」で、実撮影画角はレンズ表記の焦点距離の1.5倍相当になる
photo 記録メディアにはコンパクトフラッシュを、電源には専用リチウムイオン充電池をそれぞれ採用。CIPA準拠のバッテリ寿命は約550コマ

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