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ユニークな“レンズ一体型デジ一眼”――ソニー「DSC-R1」レビュー(5/7 ページ)

» 2005年10月28日 13時57分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
MENUはほかのサイバーショットと同じ方式

 それ以外の細かい調整はMENUボタンで開くメニューで行う。画像サイズや細かい画質調整を行うのだが、このメニューはサイバーショットそのもの。彩度やコントラストの組み合わせ保存しておけるなどハイエンド機ならではのひと工夫が欲しかった。

 面白いところでは、白飛びや黒ツブレを自動的に抑えた撮影をしてくれるA.G.C.S.機能もある。

 記録メディアはCFカードとメモリースティックで、スイッチによる切替式。バッテリーの持ちはCIPA規格で約500枚だ。デジタル一眼レフに比べると少ないが、常時撮像素子が働き液晶モニターが点灯することを考えるとがんばっていると思う。

グリップ部の手前にはCFカード(マイクロドライブ対応)とメモリースティックのデュアルスロットがあり、どちらのメディアを使うかは下にあるスイッチで切り替える
グリップ部にはインフォリチウムMバッテリーが入っている

非常に好きなカメラだがもうちょっと軽ければなあと思う

 実のところ、総合性能ではハイエンドのコンパクトデジカメよりはワンランクもツーランクも上だが、百戦錬磨のデジタル一眼レフに比べると増感時の画質コントロールなど不安を感じる部分はあるし、絵作りもハイエンド機としては原色系が派手目だ。

 でも総合力はあり、値段分の性能は持っている。あとは使う人がその場に応じてうまくコントロールすれば十分な結果を得られるだろう。露出補正もサブコマンドダイヤルで簡単にできるし、WBも液晶モニターを見ながらいじれるのはDSC-R1ならではだ。

 シャッターボタンは軽めだが、一眼レフと違ってミラーショックがないのはよいし、シャッター音が邪魔なシーンではDSC-R1の方が有利。

 光学ファインダーじゃないとイヤという人も多いだろうが、EVFや液晶モニターには露出補正の結果やWBの変化をその場でプレビューできるというメリットがある。リアルタイムヒストグラム表示なんて光学ファインダーでは無理だ。そう考えると、そういうメリットを持ちつつデジタル一眼レフ並のクオリティを得られるという非常に貴重な存在だ。

 スポーツを撮るには向かないが、24〜120ミリ相当のレンズ一体型で“スポーツをメインに”という人はいないだろう。

 欲をいえば、このサイズになるなら手ブレ補正を入れるか200ミリくらいまでのズームが欲しかったし、もし小さくコンパクトにできるならズーム倍率が落ちてももっと小さくして欲しかったとは思うけれども、それは今後に期待したい。

 というわけで、まだ完成度は上げられるけれども、撮っていて楽しく、個人的にはかなり気に入っているカメラである。特にコンパクトデジカメからランクアップしたい人には、デジタル一眼レフよりDSC-R1の方がいいかもしれない。ソニーらしいユニークなハイエンドデジカメだ。

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