一休みしたくなったら喫茶店に行こう。「Hito Hito」は、テーブルや屋根を完全に折りたためる“モバイル喫茶店”だ。しかも、人と人が出会い、スムーズに自己紹介ができるギミックが付いている。
テーブルの上面には円形のディスプレイ、そしてマグカップはメモリースロットを装備。自己紹介ビデオを入れたメモリーモジュールを挿すとディスプレイに表示してくれる。メモリーモジュールは、名刺代わりというわけだ。
といっても、わざわざ自分でビデオを編集したりする必要はない。趣味のビデオなどを適当に入れておけば、テーブルが自動的に編集し、カッコイイ映像効果や音楽を付けてVJ風に仕上げてくれるという。Hito Hitoでは、見知らぬ者同士が自分のPRビデオを見せ合うことで、自然にうち解けていく。
「2015年には、パソコンを通じたコミュニケーションばかりになって、人々は直接話すことの大切さを忘れかけているかもしれません。そんな中、人と人が出会うために作られたカフェがどこかにあるというウワサが街に流れます」
問題は、やはりHito Hitoがどこに現れるか、分からないところだろうか。忙しい社会人にとって、出会いが少ないのは現代も同じ。頼むから、教えて。
「otocasa」は、雨の音を別の音に変換して楽しむ道具だ。取っ手部分に取り外し可能な入力再生装置が付いていて、これに音を学習させると、傘にあたった雨粒の音が入力した音になるというもの。雨の強さや雨粒の大きさによって、変化のある音が楽しめる。
さらに入力再生装置には、記録した音のデータをマークにしたり、逆にマークをスキャンして入力する機能もある。誰かに聞いてもらいたい音があったら、ハンコのように入力再生装置の先端をポン。誰かがそれを見つけてスキャンすれば、同じ音が再生される。
「携帯電話のQRコードのようなイメージで、身の回りの音を仕込むことができます。音が私たちの生活を豊かにしてくれていることに気づかせてくれます」。
最後に紹介する「cue」は、親子のためのコミュニケーションツールだ。子どもが幼稚園や保育園で使用するネームバッジ(名札)に、小型カメラとマイク、そして心拍センサーなどを内蔵。音と静止画を記録する。家に帰って、再生装置の「親子スタンド」にBluetoothで転送すれば、親もその日の出来事を共有できる。
また、幼稚園には「あいさつタワー」と呼ばれるサーバを設置しておき、園内にいるときの様子を随時記録しておく。卒園時には、園児それぞれの思い出をまとめた「思い出プレート」が手渡され、いつでも親子スタンドで振り返ることができるという仕組みだ。
「4つのツールを使うことで、両親は子どもの成長を実感しながら会話ができます。より深いコミュニケーションが生まれるのではないでしょうか」。
学生たちが考えた、これらのプロダクト。実際の製品にするのは難しそうだけど、仮に実現したら、2015年はきっと幸せ一杯になるだろう――あとは、ケンウッドが製品化してくれるのを待つだけだ。
「Happy Feeling?展〜Sound Curiosity 2005〜」の会期は、11月5日(土曜日)まで。オープン時間は10時〜17時。
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