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美しい技術の展示会、「L.E.D.展“MOVE”」開幕(1/2 ページ)

» 2005年12月09日 22時28分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 東京・青山のスパイラルビルでデザイン展「LEADING EDGE DESIGN展“MOVE”」が開幕した。工業デザイナーの山中俊治氏とリーディング・エッジ・デザインが手がけた作品のなかから、“選りすぐり”の10点を集めた展示会だ。作品はいずれもプロトタイプ。しかも、すべて「動く状態」で展示されている。

photo 会場のスパイラルガーデンは、地下鉄「表参道」駅B3出口近くにある「スパイラルビル」の1階だ。開催期間は12月11日(日)まで。入場は無料
photo 「Suica自動改札機の実験機」

 「Suica自動改札機の実験機」。毎日のように目にする改札機だが、Suicaをかざす部分が少しだけ手前に傾いていることにお気づきだろうか。この傾きは、実験と試行錯誤を繰り返して利用者に便利な“傾き”を作り出した結果だ。その過程がわかるプロトタイプがいくつも展示されている。

photo 横には、開発過程がわかる数々の試作品が並んでいた

 下は障害を持つ作家のために東京大学の学生が考案した“親指用キーボード”をベースに開発されたPC入力装置「tagtype Garage Kit」。中央にはマウスポインタも付いており、ゲームコントローラのように持って操作できる。

photo 「tagtype」。子音→母音の順でキーを押して文字を入力する
photo ガレージキットになった「tagtype」

 NTTドコモの依頼で製作された地上デジ対応携帯電話のコンセプトモデル「OnQ」と、そのユーザーインタフェースも動く状態で展示されていた。OnQは、テレビ番組を録画できるHDD内蔵クレードルと、番組情報などのメタデータを扱える携帯電話本体で構成。

photo 「OnQ」

 「Afterglow」は、フロントプロジェクターの画面にレーザーポインタの光で直接“書き込み”ができるという便利なソフトウェア。カメラでレーザーポインターの軌跡を解析し、画面にリアルタイム描画する仕組みだ。カメラは市販のUSBカメラを使用できる。

photo 「Afterglow」

 紙のアメンボ「Floating Compass」。中央に磁化させた針が差し込まれており、水に浮かべると針が北を指す。脚が複雑な形になっているのは、表面張力を効率よく利用するためだ。

photo 「Floating Compass」。撥水加工を施した紙で作られている

 「WIND」は、ウェアラブルタイプのロボットコントローラだ。白いモジュールにはセンサーが入っており、操縦者の身体に装着すると、内蔵センサーが人の動作を識別してロボットに指令を無線伝送する。“マスター・スレーブ”のように人の動きをトレースすることも可能だが、人の動きをトリガーにして、ロボットが登録済みの動作パターンを実行することに主眼を置いているという。横のディスプレイには、WINDを使って「morph3」を操作する様子が流れていた。

photo ウェアラブルタイプのロボットコントローラ「WIND」
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