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もう手に入る“暗記パン”――タカラ「脳サピエンス」インタビュー(2/2 ページ)

» 2005年12月14日 20時03分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 「暗記エンジンは、暗記学習で重要になる“繰り返し”をゲーム感覚で、そして効果的に実行します。また、目標日を設定すると、ユーザー個々の学習ペースを計算して、専用のカリキュラムを自動的に作成してくれます」

photo 初期の暗記エンジン。2004年1月に「夢見工房」発表の際に公開した

 「暗記エンジンはインデックスが開発したもので、商品化をわれわれが担当しました。もともとPC用のラーニングOSとしてスタートしたのですが、当初から携帯型の学習機にすることは決めていました。というのも、勉強を始めるときにPCの電源を入れて起動を待つのは、心理的なハードルが高いと考えたからです」

 「気軽に電源を入れて、いつでも使える……ゲーム機のようなスタイルにしたのも、親しみやすいキャラクターのデザインを安齋肇先生にお願いしたのも、同じ理由です」

photo 安齋氏デザインによる「エムロボ」(左)。名前はエムサピエンス時代の名残

――発表文には「通常の4.5倍の速さ」で暗記できるとありますが、その根拠は?

 「大学生を中心に数十人の被験者を集め、臨床実験を行いました。まず10人ずつのグループを作り、1つのグループには紙と鉛筆など通常の筆記具を使って暗記学習をしてもらいます。そして、もう一方には脳サピエンスを渡し、それぞれ350語の英単語を覚えてもらいました。その結果、紙を使ったグループのほうは、すべて暗記するまでに平均71時間かかりましたが、脳サピエンスのグループは平均16時間でした」

――その時間差が“約4.5倍”の根拠になっているわけですね

 「そうです。中には、21時間で840語(カートリッジ1つ)を暗記した人もいます。個人差が激しいので公約はできませんが、脳サピエンスを使えば、840語を数日でクリアできる可能性があるわけです」

 「実験後のアンケートでは、“速く習得したと思いますか?”という質問に対して、脳サピエンスを使用した人の35%が“非常に速い”、53%が“速い”と回答しています。また、“学習方法は面白いですか?”という質問では“凄く楽しい”が35%、“楽しい”は59%。残りの6%も“まあ楽しい”と答えていて、“とても退屈”“つまらない”はいませんでした」

――同時発売のソフトは、いずれも大学受験英単語でしたが、ほかのジャンルに展開する余地英はありますか?

 「次の段階として、やはり高校生を対象とした歴史や英熟語のソフトを検討しています。また、大人向けのTOEIC英単語などもできそうですね。そのあとは、市場をみながら検討していきたいと思います。ベースになる参考書はあっても、暗記エンジンに合わせた編集作業が必要になりますから、時間はかかると思います」

 「製品化が遅くなったのも、ハードではなく、ソフトの作り込みに時間をかけたためです。暗記の効率を上げる手法はもちろん、ユーザーに学習の効果を実感してもらうにはどうしたら良いか。使い続けてもらうために何ができるか。そのためにイラストを多用したり、多くのクイズ形式を試してみたりと、さまざまな工夫をしました。今後、登場するソフトにも期待してください」

――センター試験が近いです。今から脳サピエンスを購入して、間に合いますでしょうか?

 「正直なところ、メインユーザーは来年以降に受験する高校2年生、1年生だと考えています。もちろん、3年生にも“おさらい”という意味で使ってほしいですね」

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