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人と機械の架け橋――ソニーの“インテリジェンス”を見てきた(1/2 ページ)

» 2005年12月16日 20時00分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 ソニーは「インテリジェントアプリケーション」への取り組みを紹介するイベント「知る、考える、働きかける、ソニーの身近なインテリジェンス展」を12月17・18日に開催する。開催に先立って行われた内覧会で同社の考える「インテリジェンス」を見てきた。

スゴ録やウォークマンに搭載されている「インテリジェンス」

 DVD/HDDレコーダー“スゴ緑”「RDZ-D90」や「RDZ-D70」「RDR-HX5」などが備える「x-おまかせ・まる録」も“インテリジェンス”を具体化した機能のひとつ。この機能はユーザーが行った録画予約や視聴、DVDダビング、キーワード登録などの操作を独自の嗜好検出アルゴリズムで分析・学習し、利用者の好むだろう番組を自動的に録画してくれる(詳細はRDZ-D90のレビューを参考)。

photo RDZ-D90

 スゴ録のインテリジェントな機能は「x-おまかせ・まる録」だけと思われがちだが、カメラで撮影した写真からBGM付きのフォト作品を自動作成する「x-Pict Story HD」にも“インテリジェント”な機能が含まれている。「肌色検出機能を搭載しており、人物がスミに写っている写真の場合を取り込んだ時には、人物が中心にくるようにレイアウトを自動的に工夫するようになっています」(同社)

photo 「x-Pict Story HD」で自動生成されたフォト作品

 11月に販売開始された新ウォークマン「Aシリーズ」は、「アーティストリンク」や「インテリジェントシャッフル」といった機能の搭載を前面に押し出している。アーティストリンクについては、「ジャンルの近いアーティストを検出して抽出する」と説明されていたが、検出は楽曲ファイルのタグ情報ではなく、GracenoteのMusicIDと同社独自技術を複合させた波形解析によって行われているそうだ。

photo 新ウォークマン「Aシリーズ」の「NW-A1000」

 解析によって得られたデータは、CONNET Playerを通じてインターネット上のサーバーに蓄積されているデータと照合され、結果、「ジャンルの近いアーティスト」としてウォークマンのディスプレイに表示される。タグ情報で機械的にマッチングを行うのではなく、波形分析をベースにしているので、CDからリッピングしたファイルではなくとも、マッチングが行えるのが特徴だ。

インテリジェントのシンボル、QRIO

 会場では同社のシンボル的存在である、ロボットの「QRIO」によるデモも見ることができる。「約3年ぶり」(同社)という大幅なバージョンアップを果たしたQRIOは額に新開発の広角カメラ「カメレオンアイ」を搭載したほか、2カ所の関節が新設され、「両手でブロックを認識し、積み上げる」という動作が可能になった。

photo 2000年に登場した際には「SDRシリーズ」という名称だったが、2003年9月にQRIOと改名。これまで対物センサーがセットされていた額に広角カメラが設けられている

 二足歩行ロボットといえば「○○の動作が可能となった」という点が注目されるが、今回のQRIOで注目すべきは広角カメラの搭載による視野の拡大と、顔を含めた物体認識(動き認識)技術の向上だ。つまり、外部環境をより正確に認識し、環境に応じて選択する行動の幅が広がったことが大きな進化といえる。

photo ブロックを認識中のQRIO
photo ブロックの4段積み上げにチャレンジ
photo 額の広角カメラを含め、QRIOはこのようなに映像をとらえている
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