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「PSP」と「スゴ録」のいい関係レビュー(2/3 ページ)

» 2005年12月22日 01時56分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 対してRDR-AX75では、新開発のMPEG4-AVC(H.264)エンコード用LSIを搭載したことで、リアルタイムのハードウェアエンコードが可能になっている。つまり、録画が終了したときには、PSPに転送するファイルもでき上がっているという寸法だ。

photo 本体前面にあるUSBポート

 PSPへの転送速度は最大約30倍速(同時録画の場合)。これは1時間の番組を2分程度で転送できるという意味だ。あらかじめ作成してあるファイルを単にコピーするだけで、しかも相手はシリコンメディアなのだから、転送が速いのは道理だろう。

 設定メニューを見ると、すべての録画番組を対象にMPEG-4 AVCファイルを同時作成する「高速転送録画」がデフォルトでオンになっていた。もちろんオフにすることもできるが、PSPとの連携を前提にしたモデルらしい部分だ。

 録画モードは「QVGA384K」「QVGA768K」「自動」の3項目が用意されているが、「自動」は通常の録画(MPEG-2)の設定画質を参照して「QVGA384K」と「QVGA768K」を自動選択するモードのため、実質的には384Kbpsと768Kbpsの2つ。いずれも解像度は320×240ピクセル(QVGA)、オーディオはAACの128Kbpsだから、単純に映像の情報量(=画質)が違うと考えていい。

photo 「自動」モードは、MPEG-2録画の画質モードによってMPEG-4 AVCのビットレートを決めるモード。MPEG-2録画の設定が「LP」以下になっていると「QVGA384K」、「ESP」以上なら「QVGA768K」を選択する。また「二重音声記録」では、音声多重放送の「主音声」「副音声」を選択可能。二カ国語放送の番組を語学教材にしたい人には便利かもしれない

 GIGA PACKに含まれる1Gバイトのメモリースティック PRO デュオでは、384Kbpsの場合で約4時間10分、768Kbpsなら半分の約2時間20分を録画できる。少ないと感じるかもしれないが、デジタルチューナー搭載機のムーブと違い、「PSP」に転送した番組もHDDに残っているから“見たら消す”“足りなくなったら消す”という使い方で十分に対応できるはず。アナログならではの便利な部分だ。

 転送は、まずスゴ録の前面カバーの下にあるUSB端子とPSPをケーブルで接続し、PSPのXMB(クロスメディアバー)で「USB接続」モードを選択。あとはスゴ録のタイトルリストでタイトルを選んで「転送」を実行するだけでいい。

 その際、複数のタイトルを選択して一括転送したり、転送する順番を指定することも可能だ。また、メモリースティックに入りきらない番組を自動的に分割し、転送できなかった部分を次回転送時に続きから転送する機能もある。

photo 転送するタイトルを転送順に選んでいくだけで、複数のタイトルを一括転送できる
photo メモリースティックの容量が足りないときは、途中まで転送することも可能。別のメディアに続きを書き込める

 外部入力で録画した番組も転送可能だが、デジタル放送のコピーワンス番組に関しては非対応だ。試しにデジタルチューナーを繋いで録画したコピーワンス番組を指定してみたところ、「転送」をかけた時点で「このタイトルはコピーガードされているため転送できません」と叱られてしまった。わかっていたけど残念だ。

photo 「このタイトルはコピーガードされているため転送できません」

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