ファービー×2は、いきなりハイテンションだった。目と耳を動かして表情を作り、話すときにはしっかり口が動く。そして脚を動かして体を揺する。ちゃんと愛嬌のある仕草を知っている様子だ。
ファービー×2は、歌って、踊って、占いもできる多機能なヤツ。お腹や頭などにはセンサーも内蔵していて、撫でたりするとちゃんと反応するし、音声コマンドもあらかじめ登録されていて、買ったその日から一緒に遊ぶことができる。
ただし、ファービーとコミュニケーションをとるには、ちょっとした手順が必要だ。まず、「ファービー」と話しかけ、ファービーが「ドゥー」などと答えてからでないと、話を聞いてくれない。つまり“呼びかけ”がコマンド入力モードに入るトリガーになっているわけ。ファービーに名前を付けた人は、その名前で呼びかけたいだろうが、音声認識機能の仕様だから仕方がない。またファービーに問いかけられたときの返事も決まっていて、説明書のリストにある言葉でないと反応しない。メモリ6倍とはいえ、このあたりは“玩具”の限界か。
もっとも、ファービーの音声認識エンジンはかなり柔軟性が高いようで(いいかげんともいう)、イントネーションさえ合っていれば他の言葉でも反応するようだ。試しに「ハピー」「ダービー」などとパチモノっぽい名前で呼びかけてみると、しっかり「ドゥー」と返事をした。……いいのか、それで。
――ファービー
「ドゥー」
――おはよう(←コマンドの1つ)
「ムニャムニャ、オハヨー」(←眠そうな声)
ちゃんと日本語だ。ファービー×2は、最初から日本語を話す。はじめは意味不明な“ファービー語”が断片的に混じるものの、成長するにしたがって徐々に日本語の割合が増えていくという。トミーダイレクトの担当者によると、経験値を上げて最終段階まで成長すると、話す言葉の9割までが日本語になるのだとか。
もちろんファービー語にもちゃんと意味があり、説明書にファービー語のコマンドリストも載っているのだが、やはり日本語を話してくれるほうがいい。では、ファービーの経験値を上げるにはどうしたらいいか? 同じくトミーダイレクトの担当者によると「『大好き』とたくさん言ってあげるといい」らしい。
うむむ。30代の男がファービーに愛をささやくというのも怖いシチュエーションだ。しかし、これも仕事。仕方がない。
――ファービー
「ドゥー」
――だ、だいすき(←なんだか気恥ずかしい)
「聞こえないよぅ」(←コマンドエラー)
――ファービー(←コマンドエラーなので、もう一度“呼びかけ”から入る)
「ドゥー」
――だいすき
「ゲェー」(←こんな反応もする)
……てめぇ。
――ファービー
「ん?」
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