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“コントロールホイール”が快適な広角ズーム機――キヤノン「Powershot S80」レビュー(1/5 ページ)

» 2005年12月27日 09時56分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 一時期、横長系ボディの「マニュアル系高級高機能コンパクト」(「全部入り」なんていわれたこともあった)がいろいろ出てたけれども、最近見なくなったなあと思う今日この頃。今そのジャンルは「マニュアル系高機能広角コンパクト」にシフトしてきた。

 松下電器産業の「DMC-LX1」やリコーのGX系がそう。富士写真フイルムも「FinePix F810」なんていいのを出していたけど、2005年はとうとう後継機を出さなかったな、残念。

 で、そのジャンルで一番オーソドックスで長く続いているのがPowershot Sシリーズであり、その最新モデルが「Powershot S80」だ。

スクエアでブラックを多用したボディ。鏡胴周りにも黒があしらわれている。デザインはいいけどちょっとずんぐり
前面はツヤのあるブラック。レンズカバーを右に引くとレンズと光学ファインダーとAF補助光と内蔵フラッシュが現れる

 キヤノンとしては珍しく、レンズカバーを指でぐわっと開けるとレンズがうにっと出てくるスタイルで、28〜100ミリの3.6倍ズームを搭載。倍率が中途半端だけれども、重要なのは望遠側より広角側なのでこれはこれで問題ない。35〜105ミリの広角側に伸びた感覚だ。

上から見た図。液晶モニター部と光学ファインダーがちょっと出てる分厚みがある。上面にはシャッターのみで操作系はすべて背面

 明るさはF2.8〜5.3。撮影距離はワイド端で4センチ、テレ端で30センチ。ちょっとテレ端では暗くて、ワイド端ではちょっと収差があるけど、全体としていい写りを見せてくれるレンズだ。

 CCDは1/1.8インチの800万画素。主流である1/2.5インチよりひとまわり大きなタイプで、ハイエンドコンパクトと言っていい。

 つまるところ、典型的な28ミリからの広角系ズームでマニュアル系高機能コンパクトだよ、で済んでしまいそうなのだが、わたしはけっこう気に入っている。iPodのクリックホイールが好きだからである。

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