レビュー
» 2005年12月28日 17時27分 UPDATE

レビュー:スピーディなAFと高画質の高感度モード――キヤノン「EOS 5D」〜標準・中望遠レンズ編 (1/4)

キヤノン「EOS 5D」は、35ミリフルサイズの有効1280万画素CMOSを搭載したデジタル一眼レフ機。前回の広角レンズ編に続き、こんどは標準や中望遠の単焦点レンズを使って、EOS 5Dを味わってみよう。

[永山昌克,ITmedia]

 「EOS 5D」のボディは、フルサイズのデジタル一眼レフ機としては、比較的コンパクトにまとまっている。各種機能の操作性はシンプルで分かりやすく、上位の「EOS-1D」シリーズのような取っ付きにくさはない。

photo キヤノン「EOS 5D」

 その手軽さを生かしてスナップを撮るには、大きくて重いズームレンズよりも小さくて軽い単焦点レンズが似合う。このへんは前回のレビュー(広角レンズ編)に書いたとおりである。

 特に広角系の単焦点レンズを、レンズが持つ本来の焦点距離と画角で使えるメリットは大きい。「EOS 20D」や「EOS Kiss DIGITAL N」のようなASP-Cフィルムサイズのデジタル一眼レフ機では、実撮影画角がレンズの焦点距離の約1.6倍相当になる。そのため、単焦点で広角の画角を得るには、レンズの選択肢が限られる。

 では標準や望遠レンズの場合はどうなのか。フルサイズならではの利点は、広角レンズほどは感じない。例えば、ASP-Cサイズのデジタル一眼レフ機で50ミリ相当の画角で撮影したければ、焦点距離が30ミリ前後のレンズを、135ミリ相当の画角なら85ミリ前後のレンズを使えばいい。被写界深度が違ってくるとはいえ、代用になるレンズはいくつかある。

 ただそうはいっても、古くから一眼レフ機に慣れ親しんでいる人には、広角望遠を問わずEOS 5Dは使いやすいはず。50ミリのレンズでは、これくらいの範囲が写る。絞りをいくつにして、撮影距離をどれだけ取れば、これくらいボケる。といったこと頭に浮かべ、身体で感じながら、35ミリフィルムと同じ感覚で撮影できるのは、やはり便利だ。

photo キヤノン「EOS 5D」に中望遠レンズ「EF100mm F2 USM」をセット。この状態での総重量は、バッテリやコンパクトフラッシュも含めて約1362グラム

 前回の広角レンズ編に続き、今回は標準レンズの「EF50mm F1.8 II」、中望遠レンズの「EF100mm F2 USM」、および「EF135mm F2L USM」の3本を使ってみた。わたしにとって以前から使い慣れたレンズである。たまたま手元にあったというだけで、あえてこの3本を選んだ理由は特にない。用途や好みによってはほかの単焦点やマクロレンズ、ズームレンズを使うのも、もちろんありだ。

photo 左から「EF135mm F2L USM」、「EF100mm F2 USM」、「EF50mm F1.8 II」。価格や重量、大きさはまったく異なるが、いずれも画質には定評のあるレンズ

シャッターチャンスに有利な高速AF

 EOS 5Dを使ってみて、フルサイズ以外の部分でいちばん感心したのはAFの速さだ。AFスピードはボディ側の性能だけでなく、使用するレンズによっても変わってくるが、今回試した3本のレンズはいずれも高速でストレスは感じなかった。

 デジタル一眼レフ機を選ぶ基準は人それそれだが、個人的にはAFスピードを特に重視している。“動き”を感じるスナップ写真を撮りたいからだ。例えば下の作例のように、鳥が羽を広げたり、魚が口を開けたりするのは、ほんの一瞬の動作である。

 どれも散歩がてらに公園や水族館で撮ったスナップ写真ではあるが、おもしろいと感じた瞬間にカメラを向け、サッとピントが合うのはとても気持ちがいい。

 EOS 5DのAFは速いだけでなく精度が正確で、狙ったポイントにきちんと合焦する。標準や中望遠レンズの開放付近の絞りは被写界深度が極めて浅いが、ほとんどのカットで満足のいくピントになった。

photo 「EF135mm F2L USM」を使い、羽を広げた様子を撮影。撮った次の瞬間には飛び立ってしまった。わずか1、2秒間しかないシャッターチャンスをとらえるには高速AFがものをいう
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