BDプレーヤー「BDP-S1」についてソニーも「天板には3ミリ厚の素材を使うなど、質感にもこだわっている。すぐさま低価格路線に走るつもりはない」とあくまでも高級機器としてBDプレーヤーをアピールしたい考えを示す。
一方、異なるスタンスを明確に打ち出しているのが日立製作所。BD-R/RE/ROMの3規格に対応するBD/HDDレコーダーを展示しており、「まずはBDプレーヤーから投入するということはない」(同社)と、他社とは一線を画したアプローチをとる。
価格は未定だが、ハイエンドの商品として販売される予定。「テラバイトWooと同レベルの価格帯設定になるだろう」とは説明員氏。日本国内から販売が開始されるものの、「“今年中”には市場へ投入したい」とコメントしたように、6月のワールドカップ商戦には間に合わない可能性が高い。
ソニーと並んでBD陣営のけん引役と目されている松下電器産業の姿勢は慎重だ。BDAのブースでは既に発売されているBDレコーダー「DMR-E700BD」の隣に、プロトタイプのBDプレーヤーが展示されているが、「北米では夏ごろに販売開始の予定だが、日本では未定。日本ではレコーダーの市場が確立されているので、BD-ROM対応機種を投入するならレコーダーの一機能として組み込むことになるとは思うが、詳細は検討中だ」(同社)。
BDAのブースには、BDビデオのパッケージも展示されている。サイズは現行DVDビデオのパッケージとさほど変わらないが、透明感のあるブルーの素材が利用されていた。タイトルも「Fantastic Four」や「チャーリーとチョコレート工場」「サハラ」「バットマン ビギンズ」などのヒット作が用意される。
BDビデオについては、フィリップスのプレスカンファレンスに登場した米Buena Vista Home EntertainmentのBob Chapek社長が興味深い発言をしている。「Disneyは容量が多いからBlu-ray Discを支持した。容量が多ければ、画面のクオリティを上げることができるし、インタラクティブな楽しみ方も提供できる。高画質とインタラクティブ性はいずれも次世代メディアに欠かせないのだ」(同社はDisneyのホームビデオ部門を担当している)。
一方のHD DVD陣営は、年内までに200タイトルを用意し、iHDによるインタラクティブ性も実装する。HD DVDビデオを発売する映画会社も、Warner BrothersやUniversal Pictures、Paramount Pictureらメジャーどころが揃った。しかし、Chapek氏がBD陣営のフィリップスのカンファレンスで賛同の意を表明するといった、映画会社の側からここまで直接的にどちらかの次世代DVDを支持する動きを示すことは類がない。録画機で先行したことに続き、プレーヤーでもライバルに対して優位になりたいBD陣営としては、映画会社からの強力な応援ほど心強いものはないはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR