DVD事業の立ち上げ時に製品化への技術開発を担当し、現在はデジタル家電全般の開発の責任者である松下電器産業デジタルネットワーク・ソフトウェア担当役員の津賀一宏氏に、「2006 International CES」会場近くのホテルで話を伺った。同氏は2005年春に行われた次世代光ディスクの統一交渉にも、AVC社・社長の大坪氏とともに松下電器を代表して参加した人物である。
――いよいよBDパッケージメディアが今年登場し、本格的にブルーレーザーを用いた光ディスク製品が立ち上がっていきます。事業としての次世代光ディスクをどのように見ていますか?
「われわれはDVD事業でいくつかのことを学びましたから、それをもとにBD事業のどこにフォーカスすするかを決めて行きます。プレーヤー単体でのビジネスは事業として厳しいと見ていますので、プレーヤー販売での利益追求は難しいでしょう。北米では今年夏にプレーヤーが発売されますが、国内ではレコーダーからの投入になります。レコーダーやホームシアターシステムといった、システム化の要素を入れやすい製品が中心になるでしょう。またPCドライブ事業、関連LSIなどのコンポーネント、記録メディアの製造も重要な事業になります。北米でのROM生産は行いませんが、国内向けにはBD-ROMのプレス事業も行います」
――東芝とトムソンが499.99ドルのHD DVDプレーヤーを発表しました。発売も数カ月早いことや、DVDというよく知られた名前など、HD DVDはプレーヤーとして販売しやすい環境を整えているように見えます。日本ではレコーダーが中心でしょうが、北米において安価なプレーヤーを武器にHD DVDが普及すると、驚異にはなってこないでしょうか?
「北米でも日本でも、プレーヤーよりもPCドライブの方が出荷量は圧倒的に多いんです。出荷ボリュームを増やしてコストダウンするために必要なのは、プレーヤー市場を取ることではなく、PCドライブのほうです」
――松下製BDプレーヤーはどの価格帯に投入されるのでしょう?
「現段階ではお話しできませんが、東芝よりは高くなるでしょう」
――当面、市場ではHD DVDとBDが並立することになりそうです。両規格の対立によるさまざまなロスはどの程度になると見積もっていますか?
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