「2006 International CES」でHD DVDの販売計画を発表した東芝。北米では3月からHD DVDプレーヤーの販売が開始される。日本での発売は未定のままだが、同社は日本でのプレーヤーおよびレコーダーの発売も明言している。
今後、日本市場に話を絞り込むと、次世代光ディスクではレコーダーが話題の中心となっていくだろう。HD DVDの記録型規格についての話題を中心に、東芝デジタルメディアネットワーク社主席技監の山田尚志氏に話を伺った。
――日本ではハイビジョン対応レコーダーの伸びが著しく、次世代光ディスクに関してはパッケージ再生とともにハイビジョン録画可能な光ディスクへのニーズが強まっています。HD DVDレコーダーの準備は進んでいますか?
「具体的な日程はまだお話できませんが、年央ぐらいをメドに、すでに準備は進めています。レコーダーとプレーヤーではレコーダーの方が難しいといわれていますが、むしろプレーヤーの方が他製品との共通コンポーネントが少なく、ソフトウェアも専用に開発する必要があるため、時間がかかります。レコーダーに関しては、すでに定評のあるプラットフォームがありますから、HD DVDプレーヤーで得られたノウハウをフィードバックすることでレコーダーを作ることが可能です」
――HD DVDの記録型は、規格名が何度か変更されました。以前のHD DVD-ARWはHD DVD-RWとなり、さらに現在はHD DVD-RAMに。HD DVD-RRと呼ばれていたものはHD DVD-RWになると聞きました。このうちHD DVD-RAMは当初いわれていた2層化をやめるとの話があるようですが、このあたりの詳細を確認させてください。
「RAMに関しては2層化も可能ですが、当初は1層だけで製品化する予定です。RAMの2層はディスク製造が難しく、2層容量は30Gバイトを少し超える程度になるとの結論が出ました。このため、HD DVD-RW(以前のRR)の2層30Gバイトと容量差が小さくなり、ならば2層はRWにまかせて、RAMは1層20Gバイトだけにしようと判断したのです」
――その2層HD DVD-RWは、年央に発売されるレコーダーに搭載されるのでしょうか。
「RWに関しては、DVDフォーラムの中で1層と2層を同時に規格化しています。最終スペックが出来上がるのが、現時点では3月の予定になっていますので、その結果を見ながら採用の可否を検討します。いずれにせよ、RW対応ドライブを搭載するのであれば、1層、2層を両方サポートしたものになります」
――実際にはHD DVD-Rを使う人が多くなるでしょう。こちらは対応可能でしょうか?
「Rに関しては2層も含めて、規格化も終わっており、製品には必ず入ります」
――ビットレートの低い地上デジタルを前提にしても、1層15GバイトのRは少々容量が少ないと思われます。ユーザーは2層30GバイトのRを安価に使えることを期待すると思いますが、2層のHD DVD-Rはどの程度のメディア単価になるのでしょう。
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