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北米でパナソニックブランドが“急上昇”した理由インタビュー(1/3 ページ)

» 2006年01月17日 21時40分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 昨年の「International CES」に続き、松下電器産業米国法人(Panasonic North America)社長兼最高執行責任者の河野優氏に話を伺った。前回のインタビューでは「息子に“またお父さん、大きな事を言ってるよ”と言われた」そうだが、しかしその“大きな事”よりも遙かに良い成績を松下電器は北米において達成した。

photo 松下電器米国法人(Panasonic North America)社長兼最高執行責任者の河野優氏

 生活商品を含む総合家電メーカーから、プラズマディスプレイを中心としたテクノロジカンパニーへイメージの転換を図る戦略は、店員向け教育システムの徹底やプラズマに特化した広告戦略など、選択と集中を行うことで大成功を収めた……というのが昨年のストーリーだった。

 ところが、大成功に見えた昨年1月までの物語は、その後のさらなる躍進の序章に過ぎなかったようだ。現在、松下電器は北米プラズマテレビ市場の50%以上を掌握する圧倒的なトップブランドに成長している。

――昨年はプラズマでのシェア30%を達成し、当面の目標はそのシェアを維持すること。そして次のステップとして40%を目指すというお話でした。ところが、今や50%を超えるシェアをコンスタントに出せるようになっています。この1年で何が変化したのでしょう。

 「2005年は、5月までに5週間連続で40%以上の数字を出せました。今度は“50%を目指せ”とばかりにがんばってみると、今度は9月から8週間連続で50%を超える数字を残すことができたのです。ピークは58%まで伸びています」

――プラズマ2位はどこの企業でしょう?

 「2位以下は団子の状態ですが、その中ではサムスンが10%を少し超える程度のシェアを確保しています」

――2004年春までの状況が嘘のような大躍進ですが、圧倒的なシェアを得ることで経営環境に変化は起きてきましたか?

 「パナソニックとしては、こんな大勝利は初めての経験です。50%を超えてくると、2位以下の企業が製品や販売などでテコ入れをしても、2〜4位のメーカーでシェアを食い合うだけで1位にはあまり影響が出ません。今までパナソニックの製品は“その他大勢”で、何をやっても下の方でシェアを食い合うという状態。こんな大勝利は初めての経験です。とはいえ、これ以上、さらに上はないところまで来ましたから、今度は今の状態を維持していくのが大変になるでしょう」

――圧倒的トップになった理由は何でしょう?

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