コラム
» 2006年01月30日 10時15分 UPDATE

小寺信良:エルゴノミックキーボードにヤラレる (1/3)

キーボードにはコダワリを持つ筆者が、なんとMicrosoftのキーボードを購入してしまった。以前からひとつだけ手を出していなかったジャンル――「エルゴノミックキーボード」である。

[小寺信良,ITmedia]

 そのときの筆者の心理を説明するならば、いわゆる「魔が差した」とでも言うのだろうか。普段からキーボードには並々ならぬ関心と無駄とも思えるコダワリを持つ筆者なのだが、なんとMicrosoftのキーボードを購入してしまったのである。

 いや、別にMicrosoftのキーボードを非難するつもりなどまったくなく、むしろWindowsユーザーにとって便利な製品をリリースしていることは認識している。だがキータッチなど「作り」へのコダワリを考えると、まず候補には入らないというのがMicrosoft製キーボードの立ち位置ではないだろうか。

 だがそのときは状況が違った。ブログでも書いたが、丁度WILLCOMのW-ZERO3を購入し、受け渡しの時間までヨドバシ―アキバの店内を散策していたときだったのである。

 以前からいろんなキーボードに手を出してきた筆者だが、ひとつだけ手を出していなかったジャンルがあった。それが「エルゴノミックキーボード」である。

チャレンジしづらいキーボード

 エルゴノミックキーボードとは、キーボードの形状が人間工学に基づいた構造になっているタイプのものを指す。キーの配列そのものは通常のキーボードと同じQWERTY配列だが、その多くは左手エリアと左手エリアが別れて、ハの字になっている。

 筆者がこのタイプのキーボードに手を出しかねていた理由のひとつは、自己流で覚えたタッチタイピングが果たして通用するのか、という懸念である。なにせ左右が分かれちゃっているんである。本来ならば左の指でタイプするキーをいつも右の指でタイプしていたら…などと想像すると、これに慣れるのにものすごく時間がかかったらどうしよう、と思ってしまうのである。

 いやそれぐらいは買う前にちょっと触ってみればわかりそうなものだと思われるかもしれないが、こればかりは実際に手元を意識せずに文章を書いてみないことには、なかなかはっきり確信が持てない。展示品のキーボードは、普通パソコンにはつながっていない。従って手元を見ながら打ってみるわけだが、見ながら打てば間違うはずはないのである。

 もうひとつの理由は、普通エルゴノミックキーボードは非常に高価であるということだ。代表的な製品であるKinesisの Contoured Keyboardなどは、日本で買えばまず4万は下らない。また最近日本にも徐々に入ってきているMALTRONのキーボードときたら、消費税込みでは10万を超える高級品である。

 確かに値段相応にモノがいいのは十分に認めるところではあるのだが、もし使いこなせなくてお蔵入りということになったら、その損害は果てしなく高いものに付いてしまう。そう考えると、なかなか手が出せない。

 もっとも、それほど高価なものでなくても、もう少しリーズナブルな製品もいくつかある。キーボード専門店でお馴染み「ネオテック」では、「GoldTouch」というメーカーのエルゴノミックキーボードを販売している。これなどは実売価格1万3800円と、まあキーボードにしては高価だが、エルゴノミックキーボードとしては廉価のほうだろう。

 ただ実際に触ってみると、キータッチがモロにメンブレンで、筆者の好みとは合わない。価格とのバランスを考えると、やはり躊躇してしまう。

 しかし昨年末に発売になった「Microsoft Natural Ergonomic Keyboard 4000」は、エルゴノミックキーボードにしては破格とも言えるほど安い。なにせメーカー希望小売価格で5700円なのである。それぐらいならハズしてもいいか、と思ってしまったのだ。

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