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NEDO、情報家電の相互接続実験を公開(1/2 ページ)

» 2006年02月01日 21時03分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 NEDO技術開発機構は、「デジタル情報機器相互運用基盤プロジェクト」の一環として、ネットワークを介した情報家電の相互接続実証実験を公開した。参加メーカーは、NECパーソナルプロダクツ、東芝、東芝家電製造、富士通、三菱電機、安川情報システム。6社は、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)のモバイル・ホームシステム協議会(MHSF)の情報家電ネットワークWG(ワーキンググループ)で情報家電機器の連携動作を可能にする共通ガイドラインの策定と相互接続検証を進めている。

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 実証実験は、大きく分けて4つ。IPベースのホームネットワークにD-VHSなどのIEEE 1394機器を参加させる「UPnP-IEEE 1394AV/C相互接続」、エアコンや照明器具をネットワーク化するECHONETのメーカー間相互接続検証、セグメントの異なるネットワーク間でDLNA対応機器の相互接続を実現する「宅外コンテンツ伝送」、各情報家電のソフトウェアアップデートをセキュアに行う「プログラムダウンロードセキュリティ」だ。

 「UPnP-IEEE 1394AV/C相互接続」では、東芝や三菱電機が試作したドメインゲートウェイを介してIEEE 1394機器をイーサネットベースのUPnP AVネットワークに参加させていた。IEEE 1394機器は、市販のD-VHSビデオやDVカメラのほか、昨年のCEATEC JAPANにも展示した三菱電機のAVサーバを使用。これにより、PCなどの“UPnPコントロールポイント”からIEEE 1394機器をコントロールできる。もちろんUPnPとIEEE 1394共通の特徴であるプラグ&プレイも透過的にサポート。たとえばD-VHSビデオをIEEE 1394接続すると、自動的に認識してPCから再生/録画といった制御を行える。

photo 東芝が試作したゲートウェイ。DVDレコーダーの筐体を使用しているが、将来的にどのような製品にGW機能を組み込むのかは決まっていない
photo 三菱電機のAVサーバとドメインゲートウェイ(右側の2つ)。AVサーバは、CEATEC JAPAN出品時に比べて機能強化が図られている。たとえば映像はDLNA対応のためにMPEG-2 PSで出力可能(従来はMPEG-2 TSのみ)。また、最大で5つまでのストリームを送出できるようになった
photo ドメインゲートウェイの画面。IEEE 1394接続のD-VHSが認識されている

 ECHONETの相互接続検証では、異なるメーカーの機器が連携動作する様子をデモ。たとえば、玄関先に置かれたセンサー付きのマットレスがユーザーの帰宅を検知すると、照明が点き、さらにエアコンが部屋を暖め始めるといった具合だ。これらの機器は、特定省電力無線やBluetooth、IEEE 802.11無線LANなど物理媒体の異なるネットワークを利用しているが、ECHONETルータを介して相互に接続されている。また、各機器を制御するホームコントローラとして、三洋電機の専用端末「SCREO」や安川情報システムのPC用ソフトウェアが展示されていた。

photo 三洋電機のホームコントローラ「SCREO」
photo 東芝はIT照明やFEMITYシリーズにくわえ、ECHONET対応のIT-IHクッキングシステムを参考出展。たとえば電子錠が閉まる(家人が出かける)と安全のために電源を切るといった連携動作が可能になる
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