「クルマを撮る」といったら、一度はしてみたい流し撮り。
流し撮りというのはクルマが走るスピードに合わせてカメラを動かしながら撮ることで、疾走感を出すテクニック。うまく撮れるとすごくカッコいい。
一般に、すごく速く走ってる車を流し撮りしてその速さを写真に撮るってイメージがあると思うけど、実は「クルマはそんなに速く走らなくてもいい」のである。大事なのは「シャッタースピードをできるだけ遅く」することと「背景」なのだ。
その証拠をお見せしよう。
真っ昼間に普通に撮るとこんなだ。
これではあんまりなので、カメラ側で工夫する。ISO感度は一番低くし、絞り優先AE機能があればめいっぱい絞る。そうするとシャッタースピードを遅くできる。
そうしたらクルマを常に画面の真ん中に捉えるようカメラを動かしつつ、タイミングを見計らってシャッターを押す。それもカメラを動かすというより、最終的に撮りたい方向に腰を向け、そこからクルマが来る方にひねって、ひねった腰を戻す感じで回転させながら撮るのだ。それがコツ。
あとはタイミング。
成功したこの写真、実は時速20キロ以下だったりするのである。マジックですな。
でも背景に空が多いと、今ひとつ疾走感が出ない。背景がごちゃっとしてる方が大きく流れてスピード感が出やすいのだ。例えば背景が森だとか建物だとかだ。
そういう場所ならそれこそ時速10キロだってものすごく早いように見えるのである。そこで撮る場所を変えて再挑戦。
そしたらこんなのが撮れました。背景が暗くて逆光気味な分、シャッタースピードを遅くできたこともあって、たぶん時速15キロくらいという徐行速度だがすごく疾走感がある。
つまり流し撮りのコツはクルマのスピードじゃなくて、背景の選び方とシャッタースピードなのだ。要は「速そうに見えれば勝ち」なわけだからね。
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