全体としてレスポンスはよく、モードダイヤルをセットするだけなので、初心者でもかんたんに使いこなせるだろう。面白いのは、画像サイズを選ぶときに、たとえば6Mサイズの時は「Aサイズまでのプリント」というように画像サイズに適したプリントサイズを表示してくれる点。同時に、その画像サイズであと何枚写真が撮れるかも教えてくれるのは便利だ。
コンパクトデジカメにしては珍しく、光学ファインダーを搭載している点は好感が持てる。ファインダーとしては値段相応で、正直「見えるだけ」程度のものだが、直射日光で液晶モニターが見えにくい場合など、光学ファインダーがあるとうれしい場面もあるので、そういった場合にありがたい。
撮像素子は有効画素数600万画素の1/2.5インチSuper HAD CCD。レンズは光学3倍ズームのCarl Zeiss Vario-Tessar。焦点距離は38〜114ミリ(35ミリ判換算時)、明るさはF2.8〜F5.2といったスペックで、このあたりは一般的なものが、少々テレ端が暗いのは残念。
画質自体はクリアな見栄えのいい写真が得られ、このクラスのコンパクトデジカメとしては優秀な方だ。
高いレスポンス性も見逃せないポイント。起動時間は約1.3秒、シャッタータイムラグは約0.3秒、レリーズタイムラグは約0.009秒、撮影間隔は約1.2秒(いずれも公称)となっており、初心者向けのコンパクトデジカメながら優秀。実際の撮影中もほとんどストレスは感じないレベルだ。
光学ファインダー横には独立した再生ボタンが用意されており、撮影モードがどの状態であっても1ボタンで再生ができる。電源オフの状態でも再生ボタンを押せば再生モードで起動する。逆に再生中でも、シャッターボタン半押しで素早く撮影状態に移行できるのもいい。
背面の液晶は2.0インチの8.5万画素TFT液晶。サイズ、画素数としても最近のものとしては少々不満を感じるところ。サイズと画素数の問題のためか、サムネイル表示も1画面9コマまでと物足りない。
W30は、オーソドックスな機能をオーソドックスにまとめたカメラだ。それでもISO1000までの高感度撮影、使いやすいモードダイヤルでの撮影、2センチまでのマクロ撮影など、基本的な部分は抑えてあり、とんがったところのない分、扱いやすい。カメラに慣れてくると物足りないと感じる部分が出てくるだろうが、あくまで「最初の1台」と考えれば悪くない選択肢だと思う。
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