ジョブズ氏の講演の後、会場となった本社ビルの2階が報道関係者に開放され、リビングルームや寝室などを模したiPod Hi-Fiの利用シーンの紹介や、新型Mac miniの展示が行われた。
Mac miniの展示では、Front RowとApple Remoteによるリモコン操作を体験することができた。Front Rowのメニューで「Shared Music」などの「Shared 〜」と書かれた項目を選択すると、Bonjour(フランス語で「こんにちは」の意味)の機能により近隣のマシンが一覧になって表示される。
展示会のケースではiMacが横に2台配置されており、Sharedのリストには2台のマシンの名前が表示されていた。ここでいずれかのマシンを選ぶと、そのマシン内にあるプレイリストが現れ、無線LAN経由でコンテンツを呼び出せるようだ。
Front Rowのメニューの文字は大きめに表示されるので、15インチ以上のTVであれば10メートルくらい離れていても問題なくApple Remoteで操作できるだろう。Apple Remoteはボタンの数が6個と少ないが、操作感はiPodとほぼ同じため、コンテンツ再生においてはほとんどストレスを感じない。ちなみに、Mac miniの赤外線受光部は光メディア取り出し口の右横にある。
展示会場ではさらに、会議室を改造して、それぞれリビングルーム、書斎、キッチン、ベッドルームを再現した部屋が用意されており、Mac miniとiPod Hi-Fiをどのように活用するのかの実演デモを行っていた。
iPod Hi-Fiの音質は、このクラスのスピーカーとしては高い印象で、スピーカーの振動が設置物に影響を与えている様子もない。展示では、本棚の中やキッチン横などにiPod Hi-Fiが配置され、電源ケーブルなしで持ち運びも可能な手軽さが伝わってきた。ただ難点として、iPodの液晶が小さいので、遠くから画面が見づらいということが挙げられる。例えばiPod Hi-Fiを離れた場所からApple Remoteで操作するときなど、iPod nanoなどの画面では内容が確認しづらい。リビングルームに配置したときなどは、ユニバーサルドックを介してTV画面にダイレクトにプレイリスト一覧を表示できると便利かと思う。一方で、iPod Hi-Fiを使ってiPodの充電ができるのはありがたい。
Mac miniとiPod Hi-Fiという、直接つながりの薄い印象を受ける2つの製品の発表会だったが、実はホームエンターテイメントという面で結びついているということを、展示会場の風景からうかがい知ることができた。メディアの注目度も高く、会場にはPCメーカーの製品発表会とは思えないほど多くのTV局のカメラが入っていた。iPodで携帯プレイヤー市場を席巻したAppleは、この2製品の発表でさらに利用シーンを拡大し、ホームエンターテイメントの分野で家電メーカーにとっての黒船になろうとしているのかもしれない。
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