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高感度2枚撮りができる薄型大画面デジカメ――「FinePix V10」レビュー(4/5 ページ)

» 2006年03月07日 09時58分 公開
[永山昌克,ITmedia]

最大ISO1600の高感度撮影に対応する

 CCDは、FinePix Z2と同じく1/2.5型有効512万画素のスーパーCCDハニカムHRを採用する。感度は、オートのほかISO64/100/200/400/800/1600の6段階を選択でき、オートISOを選ぶと自動的に最大ISO640まで(モードによってはISO800まで)アップする。

 高感度時のノイズレベルは、より大きなCCDを搭載した上位機「FinePix F11」に比べると見劣りするものの、同クラスの他社製品に比較するとワンランク上だ。ISO640以上の画像をA4サイズまで大きく印刷すると、さすがに暗部を中心にざらつきが目立ち、細部の解像感が低下するが、ハガキ大までの印刷なら不都合はない。

 ふだんわたしがほかのコンパクトデジカメでスナップを撮る場合、シーンに応じてISO感度を切り替えながら使うことが多い。通常はなるべく高画質で撮りたいので低感度側を選び、ブレを抑えたい場合には高感度側を選ぶ、という使い分けだ。

 だが、高感度でもまずまずの画質が得られるFinePix V10なら、使い分けをせず、常に感度をオートのままで済ませられる。感度のことを気にせずに、気楽にスナップできるのが何よりありがたい。試用期間中、旅行用のメモカメラとして複数のコンパクトデジカメを持参したが、最も安心して使えたのがこのFinePix V10だった。高感度画質だけでなく、液晶の見やすさとオートホワイトバランスの安定感のよさもポイントが高い。

 要望は、「高感度2枚撮り」機能をもう少し素早くアクセスできるようにしてほしいこと。せっかく便利な機能なので利用したいと思うが、いちいちメニュー画面を呼び出して撮影モードを切り替えるのが面倒に感じる。

 また、3インチ大画面を生かす新機能としてゲーム機能を新搭載したが、欲を言えばそれ以外の提案ももっとほしかった。例えば、スライドショーなどの再生関連の機能がさらに充実すれば、画像ビューワーとしての利用法が今以上に広がるはずだ。

photo オートプレイ(スライドショー)機能は、これまでと同じくノーマルやフェード、マルチ、時計を選べる。マルチでは、分割表示の画面がフェードしながら切り替わる
photo 従来機から継承したアシストウィンド機能。3コマ前の画像と見比べながら撮影できる
photo 記録メディアはxDピクチャーカードで、電源はリチウムイオン充電池。CIPA準拠のバッテリー寿命は約170枚

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