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ハイビジョン撮影の敷居をさらに押し下げ――ソニー「HDR-HC3」春のビデオカメラ特集(2/3 ページ)

» 2006年03月13日 10時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 電源入力(DC IN)、映像・音声出力(A/V OUT)、コンポーネント映像出力(COMPONENT OUT)は、バッテリー収納部右のカバーを外したところに装備。前述のとおり、この部分はカーブしているため、各端子が斜めにならないよう、段差がつけられている。付属ケーブルはD端子のコンポーネントケーブルと、コンポジット映像端子用のAVケーブルで、S端子を利用したい場合は、別売のAVケーブル(VMC-15FS/VMC-30FS)が必要だ。

photo バッテリー収納部の右にあるカバーを開けると、DC IN、A/V OUT、COMPONENT OUT端子が並んでいる

 入出力端子は本体前方右側にもあり、ここにはLANC、HDV/DV、そして新たに装備されたHDMI端子を配置。実際、今回はテレビとの接続にHDMIを頻繁に利用したが、かなり快適で、これもまた、「HDR-HC1」に対する大きな優位点といえるだろう(ただし、i.LinkでDV入力された映像の表示は不可)。

photo HDMI端子は本体右側の前方に配置。接続時はカバーがややじゃまになるものの、抜き差しはスムーズに行える

 コンポーネント映像出力では、音声を出力するためのケーブル接続が別に必要だが、HDMIでは映像・音声の伝送が1本ですむ。コネクタもコンポーネントでは5基(カメラ側がA/V OUTとCOMPONENT OUT、テレビ側がD端子、ステレオ音声)使うのに対し、2基だけですみ、抜き差しも実にスムーズだ。もちろん、映像品質の面でもより鮮明となる。

photo ステータスチェックにもHDMI接続の状態が表示される。出力解像度はもちろん1080iだ

タッチパネルとコントロールダイヤルによる快適な操作。クイック起動機能も装備

 本体を構えると、手にすっぽりと収まるというほどではないものの、高さや奥行きは十分にコンパクトで、また質量も軽い。ホールド時には、カセット収納部全体を手で包み込むようにつかめる感じなので、しっかりと構えられる。人差し指でのズームレバーとフォトボタン、親指でのスタート/ストップボタンの操作もスムーズに行える。

photo ズームレバー、フォトボタン、モード切替兼用の電源スイッチ、スタート/ストップボタンが近い位置に集中している。モード表示は右側面に記されているが、ランプ自体は手前からでも確認可能だ

 操作はほかのハンディカムと同様の流れで、電源スイッチを右へ入れると、オンとなるとともにモード切替となり、入れるたびに「撮る−テープ」「撮る−メモリー」「見る/編集」と切り替わる。左へ戻せば、電源オフだ。もちろん、メニューの選択や設定にはタッチパネルを利用する。

 レンズ部にはマニュアルフォーカス/ズームリングはなく、その代わり、「DCR-PC1000」と同様のカメラコントロールダイヤルが装備された。手前の「マニュアル」ボタンを押すと、撮影時には「フォーカス」「カメラ明るさ」「AEシフト」「WBシフト」のいずれかを、再生時には「ボリューム」の調整が可能だ。コントロールダイヤルで調整する対象は、あらかじめコントロールダイヤル設定で選択しておく。あるいは、マニュアルボタンを数秒押し続けると、クイック選択メニューを呼び出して、対象を切り替えられる。

photo 「フォーカス」「カメラ明るさ」「AEシフト」「WBシフト」のマニュアル設定は、コントロールダイヤルを利用可能。右のマニュアルボタンを押して呼び出し、左の小型ダイヤルで調整する
photo コントロールを行う対象は、あらかじめコントロールダイヤル設定で選択しておく。あるいは、マニュアルボタン長押しで、クイック選択メニューを表示可能

 起動時間は「クイック録画」機能が装備されたため、電源投入から約3〜4秒ほどで撮影が開始可能だ。この機能を利用した場合には、シーンのつなぎ目がスムーズでなくなってしまうが、編集を行うのであれば問題はないだろう。“完成品”を意識して撮る人であれば、オフに設定すればいいのだが、この場合は、起動時間が倍(8秒前後)になってしまう。

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