レビュー
» 2006年03月24日 20時00分 UPDATE

レビュー:旅行に役立つ10倍ズームと小型ボディ――「LUMIX DMC-TZ1」 (1/3)

松下電器産業のデジカメLUMIXの新シリーズ第1弾「DMC-TZ1」を使ってみた。光学10倍ズームを搭載しながら、手のひらに収まる小型軽量ボディは旅行用スナップカメラに最適。画質や使い勝手を検証してみよう。

[永山昌克,ITmedia]

 「旅にぴったり!」というコンセプトがおもしろい。「LUMIX DMC-TZ1」は、小型軽量ボディに35ミリ換算で35〜350ミリ相当の光学10倍ズームを搭載し、旅行に役立つ様々な新機能を備えている。

photo 「LUMIX DMC-TZ1」。本体重量234グラム、使用時重量は262グラム。カラーバリエーションは、写真のシルバーのほか、ゴールドとブルーがある

 旅行好きの筆者は、これは黙っていられないと思った。個人的には、旅行には28ミリ以下の広角レンズが欠かせないし、旅先でも入手できる汎用性のあるバッテリーが望ましいと思う。しかしDMC-TZ1は、28ミリワイドには対応しないし、バッテリーは専用のリチウムイオンで、CIPA準拠の電池寿命は約250枚と標準的だ。これで旅カメラをうたっていいのかい。

 不満顔の筆者に対して、メーカーの人はなだめるように言った。「旅カメラといっても、ヘビーユーザーが撮影旅行に持って行く、作品を撮るためのカメラじゃないんです。ごく一般のユーザーが、旅行に出掛けたときに、記念写真やスナップを撮る。そんな用途に役立つカメラを目指しました」(詳細はインタビュー記事を参照)

 そう言われると反論できない。確かに、マニアックさを感じないところがDMC-TZ1のよさだ。勝手な想像だが、同社の技術なら仮に28ミリスタートでも、光学10倍とはいわず光学7倍程度に抑えれば、同じくらいコンパクトにまとめることは可能だったかもしれない。だが、それより35ミリスタートの光学10倍ズーム機にしたほうが、幅広い層にアピールしやすい、という狙いがあるように思う。

 28ミリ相当からのズーム機としては、より中上級者向けの「DMC-LX1」や「DMC-LC1」がすでにあるし、今春発売の薄型モデル「DMC-FX01」は28ミリスタートの3.6倍ズームだ。さらにいえば、同社初の一眼レフ機「DMC-L1」の発売も本年中に控えている。広角での撮影はこれらのモデルにまかせることにして、DMC-TZ1では準広角から望遠までの10倍ズームを堪能したい。

photo 焦点距離35ミリ相当のワイド側で撮影。最短5センチまで近付いたマクロ撮影もできる
photo 焦点距離350ミリ相当のテレ側で撮影。背景の緑と人形の位置関係は上のカットと同じだが、焦点距離と撮影距離を変えるとまったく違った雰囲気になる。この表現力の多彩さが光学10倍ズームの魅力だ

屈曲と沈胴を組み合わせて小型化を実現

 のっけから不満を述べたが、35〜350ミリ相当の光学10倍ズームで、これほど小さなボディは掛け値なしで画期的といえる。手のひらに隠れるくらいのサイズであり、ちょっとかさばるとはいえ胸ポケットに入れることも可能だ。

photo ワイシャツの胸ポケットに入れて常時携帯するのは、さすがに少々無理があるが、荷物が多くなる旅行などでは、この小型軽量ボディは確かに便利

 ほぼ同じくらい小さな光学10倍ズーム機としては、ニコン「COOLPIX S4」や三洋電機「Xacti DMX-HD1」などがある。だが、光学式の手ブレ補正機能を内蔵することがDMC-TZ1のアドバンテージになる。

 小型軽量化できたのは、光を90度折り曲げる「屈曲光学系」と、レンズを前後に伸縮させて収納する「沈胴光学系」という2つの方式を組み合わせたためだ。ほかの多くの高倍率ズーム機では、電源を入れるとレンズが繰り出し、撮影可能になるまでは数秒間待たされる。しかしDMC-TZ1では、起動してもレンズが飛び出ないため、素早く撮影可能になることも、この新レンズのメリットだ。

photo 起動時は、ズームはワイド側となりレンズは動かない。ズームをテレ側にした場合には、約15ミリほどレンズが飛び出る
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