ISO800/ISO1600の高感度撮影をする場合は、シーンモードで「高感度モード」に設定する必要がある。ノイズ自体はかなりよく抑えられているが、強力なノイズ低減と画素混合の影響か画質はのっぺりとしたもので、解像感、コントラストともに低下する。ただL判ぐらいの印刷と割り切ればけっこう使えると思う。しかし申し訳ないことに、今回手違いで高感度撮影を含むいくつかの実写画像を消去してしまったため、それを例示できないのだが、ひとまず他意がないことだけは伝えておきたい。
いずれにせよ被写体ブレが心配ない場面では、光学式手ブレ補正のほうが画質の劣化は少ない。さらにこれに高感度撮影をプラスすれば、いっそうブレの心配は少なくなる。高感度撮影に関しては富士写真フイルムに一日の長があるが、LUMIXの光学式手ブレ補正との併用は大きなポイントだ。
光学式手ブレ補正に関しては、従来通り本体上部の手ブレ補正ボタンを押すことで「モード1」「モード2」の切り替えができ、モード1では常時手ブレ補正を行い、液晶画面を見ながら撮影する際にも被写体が見やすい。モード2はシャッターを押した瞬間にだけ手ブレ補正が働くため、モニターの表示は手ブレするが、より強く補正をかけることができる。消費電力的にはモード2のほうが有利そうだ。
一般的に人が手ブレしない限界のシャッタースピードは、「1/35ミリ判換算の焦点距離(秒)」といわれており、FX01のワイド端が28ミリなので、おおざっぱに言って1/30秒までなら手ブレをせずに撮影できる。きちんと構えれば1/15秒でも手ブレを避けられるだろう。このぐらいだと、光学式手ブレ補正が不要では、という考えも浮かぶが、たとえば美術館のようなフラッシュを使用できない暗めの屋内、ちょっとした夜景など、平気でそれよりもシャッタースピードが遅くなる場面は結構ある。しかもこうしたシーンは、FX01の広角が生きてくる場面でもある。そう考えると、広角をセールスポイントにするFX01にも光学式手ブレ補正は必要となってくるわけだ。
撮影は従来通り通常撮影/かんたんモード/シーンモード/マクロをモードダイヤルで切り替える。個人的にはマクロがモードダイヤルに配置されているのは、いまだに慣れない点だ。
シーンモードは新たに「高感度」と「水中」が追加され、16種類になっている。「赤ちゃん1」「赤ちゃん2」を別と考えれば17種類。「赤ちゃん」は、誕生日設定をしておくと再生時に「何カ月何日」などといった月齢や年齢を表示してくれる機能で、2人分の誕生日が登録できるようになった、というわけだ。
そのほかのシーンモードは人物/美肌/風景/スポーツ/夜景&人物/夜景/自分撮り/料理/パーティー/キャンドル/花火/星空/雪/高感度/水中で、一般的な使用では困ることはないだろう。
ただ、高感度撮影が「高感度モード」だけでしか使えないのはもったいない。たとえば「赤ちゃんの寝顔を暗闇で撮影したい場合は高感度で撮りたいが、そうすると月齢が表示できない……」とか、「キャンドルモードやパーティモードで被写体ブレを防ぐために高感度を使いたい」などといったパターンには対応できないからだ。通常ではISO80/100/200/400しか選べないので、高感度モードだけでなく別のモードでもISO800/ISO1600が選べるとよかった。
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