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日立ディスプレイズ、IPS液晶の動画表示性能を高める新技術

» 2006年04月11日 11時42分 公開
[ITmedia]

 日立ディスプレイズと日立製作所中央研究所は4月10日、IPS液晶に搭載している動画対応技術「スーパーインパルス駆動」における新技術「フレキシブルBI」を発表した。新技術により、輝度やコントラストを維持しつつ動画性能を改善できるという。4月中に量産適用を開始する予定だ。

 一般的な液晶テレビは、フレーム周波数60Hzで動作し、表示フレーム期間中に同一の画面を表示する“ホールド型駆動”であるため、網膜残像による動画のぼやけが発生していた。日立では、画面に20〜30%の黒データを挿入し、インパルス型駆動にすることで動画性能を改善してきたが、同時に「液晶パネルが持つ性能よりも輝度が若干低下する」という課題があった。

 新しい「フレキシブルBI」(Black Data Insertion:黒データ挿入)では、まずフレーム周波数を従来の倍にあたる120Hzとしてホールド時間を8.3ミリ秒に高速化。輝度(階調)に応じて黒データを最大50%挿入する。黒データの挿入率は従来比1.5倍と増えているが、60Hz動作時に1面で表示するデータを2面に分け、片方には原画像よりも明るい画像を、もう一方には黒データを含む暗い画像を割り当てる。これにより、2面の時間積分で同一の輝度を維持できる仕組みだ。

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