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安心感がウリの大画面デジカメ――キヤノン「IXY Digital 80」レビュー(4/5 ページ)

» 2006年04月24日 14時12分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

相変わらず王道を行くIXY Digital

 こうしてみると、相変わらずの基本性能の安定感に加え、今年は外せない「ブレ対策」もISO800までの高感度対応や高感度オートでフォローしている。他社の競合機種と比べて重要な機能での見劣りはない。

底面にバッテリーとSDメモリーカードスロット。バッテリーは充電器で充電するが、三角マークを合わせることで正しい位置にセットできる。ちょっとした親切

 ただひとつだけ、バッテリーの持ちは従来と同様、CIPA規格で約160枚と少なめ。体感的にはそれほど少ないとは感じないが、1日中撮りまくるには不足気味。旅行時には充電器が必須だろう。

 それでも、全体にIXY Digitalらしいよくまとまった製品。突飛な機能やデザインではないが、沈胴式レンズカメラとして王道をいくカメラらしいスタイルを継承。特にレンズ周りやツヤツヤしたブラックとシルバーの使い分けなどデザインのディテールが非常に凝っており、大人のコンサバ系コンパクトデジカメとしての地位は揺るぎそうもない。

 マニュアル系の機能を求める人には物足りない点も多いだろうが、フルオート系で屋外でも室内でもきれいに撮れて、どちらかというと斬新さより安心して使えるコンサバさがあって質感が高いデジカメが欲しいという人(たぶん、非常に多くの人たちが該当するはずだ)には一番のお勧めデジカメなのである。

 あとはIXY Digital 3兄弟のうちどれを選ぶか、だ。

作例

ワイド端
テレ端同じ位置からワイド端(上)とテレ端(下)でガスタンクをくっきりカラーモードで撮影。だから青空がすごく鮮やか
大雨直後の公園にて、水没したベンチを。ISO感度80。木漏れ日がさす微妙な環境だが適正な露出でコントラストもホワイトバランスもいい感じに出てくれた
夕刻の新宿にて、-1の露出補正をかけ、ホワイトバランスを太陽光に固定して撮影。空のきれいなグラデーションがきれいに撮れた。ISO感度はオート
テレ端で半逆光で撮影。コンパクト機としては文句ない仕上がり
高感度オートで撮った噴水。見てのとおりよく晴れた午後だが、高感度オートにすると1/1500秒F4.9という露出になり、見事に水滴が止まったのは面白い。高感度オート時はできるだけ開放で、高速シャッターで撮れるようなプログラムが働くようだ
マクロモードでタンポポの種を撮影。ピントもちゃんときてるし、ディテールもすごくしっかりしてて質感がよく出てる

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