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「いいとこ観」を装備したダブルハイビジョン録画「Wooo」(前編)レビュー(3/3 ページ)

» 2006年05月02日 15時31分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 予約録画機能として新たに搭載されたのが「お気に入り自動録画」機能だ。「ジャンルとキーワード」「放送メディア(地上波/BS/CS)」「時間帯」を条件として自動録画が可能で、「ジャンルとキーワード」は最大7項目を設定し、「全て含む」「いずれかを含む」を選択可能。これらの条件の組み合わせを8セット登録が可能だ。

photo 「お気に入り自動録画」はべんりメニューから呼び出す。「かんたん検索」はジャンル別に番組を一覧できる機能で、2005年秋冬モデルにも搭載されていた機能だ

 結構便利そうに見えるのだが、自動録画条件は8セット登録できるのに、有効にできるのは1つのみ。ちょっと意図を掴みかねる仕様だが、それでも最大7つのキーワードから自動録画ができるなど便利な機能の1つであることは間違いない。「スゴ録」などのように全ての録画予約を自動録画でこなせるわけではないが、予約録画の補助的な機能と割り切れば悪くないだろう。

photo このようにジャンルとキーワードは最大7つが指定可能で、「いずれか」「全て含む」を選択可能。条件設定の自由度は高いのだが……

なぜ「白くま君」が? の「いいとこ観」

 録画番組の管理は動画サムネイル付の一画面9番組、リスト形式で一画面14番組の一覧が可能な「ディスクナビゲーション」にくわえ、自動フォルダ分け機能の「ワケ録」機能を引き続き採用。EPG情報を基にしたジャンル別、チャンネル別、視聴/未視聴別、録画予約時に指定するユーザー別、番組名別が利用可能だ。実際フォルダ管理するというよりはフィルタリングしての一覧機能に近いが、録画予約時に一々録画フォルダを指定するタイプよりは手軽に使える。連ドラなどのシリーズ番組も、番組名別を利用することで同じ番組のみを一覧可能だ。EPGの番組表記などに左右される部分もあるが、なにより録画予約時に意識する必要がない点は便利。

photo ディスクナビゲーションの画面は2通りの選択が可能。EPGで予約する限り番組名が確認できるため、リスト形式の一覧の方が快適だろう
photo 「ワケ録」では5通りの方法で分類して表示が可能。番組名別では自動で番組名がピックアップされる。番組名はフルにマッチする必要はなく、「第××話」といった部分などは自動で無視して適切に判断して分類してくれるようだ
photo 録画予約時に指定できるユーザー指定ではユーザー名を任意に変更することも可能。録画後にユーザー間を移動させられるので、一般的なフォルダ管理とほぼ同様に利用できる

 新機能として搭載されたのが、同社のPC「Prius」シリーズでおなじみの「いいとこ観」だ。「いいとこ観」は音声や画面変化などからハイライトシーンをピックアップ、録画した番組を短時間で視聴する機能だ。指定可能なジャンルとしては「音楽」「野球」「相撲」「サッカー」「ゴルフ」「囲碁・将棋」「ニュース」「競馬」「その他」が準備され、たとえば「音楽」を指定すると歌唱シーンを、「野球」を指定すると盛り上がっているシーンの前後をピックアップ、といった形でジャンル別に異なる解析でハイライトシーンを選び出すようになっている。どの程度の時間で再生するかは「おまかせ」、または5〜30分の間で指定可能となっており、ユーザーの都合に合わせて録画番組を視聴できる。

photo ディスクナビゲーションで番組を選択すると「いいとこ観」を開始。通常再生中に「いいとこ観」ボタンを押して「いいとこ観」を呼び出すこともできる。ただしレコーダー2で録画した番組で「いいとこ観」はグレーアウトし、選択できない。なおレジューム再生は番組単位で利用できる
photo 再生時間を「5分」に設定したところ。下部のバーの黄色い部分が実際に再生される部分で、スキップボタンで移動可能。ジャイアンツの二岡が2打席連続満塁ホームランを打った試合のナイター中継だが、2本の満塁ホームランにくわえて小久保の2本のホームランシーンもしっかりと5分の中にピックアップして再生してくれ、まるでニュースでのハイライトシーンを見ているようだった。2時間半を5分に絞り込んだのに、なぜか日立の「白くまくん」「Wooo」のCM部分がしっかり再生されたのは、偶然なのかそういうロジックが組み込まれているのか……(実話です)

 なお「いいとこ観」を利用するには、レコーダー1による録画が必須だ。おそらく録画時にMPEGエンコーダから出力される映像の動きや音声情報からハイライトシーンを検出するためのデータを作成しているのだろう。レート変換ダビングとの両立を考慮すると録画はレコーダー2を中心に利用したいが、この場合「いいとこ観」を利用できる番組が少なくなる。また1つの番組を「TS録画」+「MPEG2録画」といった場合にも、「いいとこ観」ができるのはMPEG2録画した方のみになる、といった点は結構悩ましい。結構魅力的な機能だけに、せめて本製品のような上位モデルではMPEG2エンコーダーを2つ搭載するといった形にしてもいいのではないだろうか。

 また放送時(録画時)の「モノラル」「2カ国語」「ステレオ」の音声放送の切替部分や、映像の解析情報を基に本編以外の部分、つまりCM部分を自動でスキップ、または早見再生する「飛ばし観」機能も健在だ。「いいとこ観」を使うほどではないが、本編だけ最短時間で見たいという場合には便利に使える。とくに本編がモノラル放送の場合はほぼ的確に動作するので、今でもモノラル放送が結構多いドラマやアニメ番組などの再生では威力を発揮するだろう。なお「飛ばし観」機能もレコーダー1で録画した番組に限定されるため、「いいとこ観」同様、この制限はぜひ撤廃してほしい。レコーダー1、レコーダー2の存在を意識せずに使うユーザーも多いはずだし、同社のイメージから来る購買層を考慮すると今後ますますそういったユーザーは増えるはずだ。

 後編では編集、ダビング機能などを中心に取り上げる。

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