ITmedia NEWS >

目指せ! 一家に1台の家庭用プラネタリウム――セガトイズ「ホームスター」インタビュー(3/3 ページ)

» 2006年05月10日 14時23分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

10万台への道のり

――今年の3月末ですが、ホームスターが10万台を突破したというリリースを発表されました。この実績は予想したものでしたか。

加藤氏: 嬉しい誤算でしたね。こんなに売れるとは思いませんでした。でも、ある意味で予想が当たっているんです。最初に起こした企画書では「10万台販売を目指す」なんて書いてますし、大平さんが協力を引き受けてくれた際に「一家に1台プラネタリウムの時代だ!」と盛り上がったりしましたから。潜在的なニーズは絶対あると踏んではいたんです。

――発売後「これはヒットしたな」と実感したのはいつぐらいのタイミングですか? また、ヒットの要因をどのように分析されますか?

加藤氏: ヒットを実感したのは発表直後、2005年5月にamazonで予約販売を開始してからですね。注文はどんどん入りますし、ランキングはずっと1位を独占していたので、これは尋常ではないと。またネット上で話題になることが非常に多かったです。大平さんのウェブサイトで予告となるメルマガを配信していただいたんですが、これの反響が非常に大きかったです。発表直後も数多くのブログやSNSで取り上げてもらいました。

 ヒットしたのは、家庭用プラネタリウムとして業務用に匹敵するリアルな星空を自宅で楽しめるという、これまでにない新しさがあるからだと思います。また、日本人のプラネタリウム好きな国民性もあります。世界的にみて、日本はアメリカに次ぐプラネタリウムの館数が多いそうです。誰もが一度はプラネタリウムを訪れたことがあるんじゃないでしょうか。プラネタリウムを楽しむという土壌が育っていると思います。

 そして、生みの親の大平さんの存在です。開発を技術的に支えて頂いたのはもちろん、本人の認知度やメガスターの認知度が非常に上がり、結果としてホームスターを知っていただく機会が増えました。フジテレビでのドラマ化、BUMP OF CHICKENとコラボレートしたCDの発売などが発売後に重なったのは幸いでした。最近では、インスタントコーヒーのCMに出演されてますしね。

星空プラットフォームとしてのホームスター

――大ヒットとなったホームスターですが、ユーザーからはどんな反響がありましたか?

加藤氏: 「田舎で見た星空を思い出した」とか「天井が抜け落ちたようだ」などの声を多数頂きました。リアルに再現された満点の星空に、皆さん驚かれたようです。また、学校やホテルの宿泊プラン、バーやエステサロンなどからの引き合いもありました。自宅以外での利用は、ちょっと考えていなかったので新鮮でした。中には、星空が好きだった方の葬儀で使ったという話も聞きました。

photo 原板ソフトトレイを引き出したところ。原板ソフトを入れ替えることで、さまざまな星空を投影できる

――今後の展開などを教えていただけますか?

加藤氏: ホームスターは原版ソフトの入れ替えで、いろいろな星空を投影することができます。プラットフォームとして機能しますので、このソフトの充実を図りたいですね。現在のソフトでは色は付いていませんが星に色をつけたバージョンの展開や、星座を詳しく解説したバージョンが考えられると思います。また、上位機種や、もう少しお買い求め易い機種なども考えています。さらに、日本だけでなく世界中にホームスターを広げたいですね。

photo 2005年12月に発売された「ハンディホームスター」。本体上部の穴からのぞいて、スイッチを押すといつでもどこでも満点の夜空を楽しめるスグレモノ。ホームスター同様に原板ソフトの入れ替えが可能

商品:家庭用星空投影機「ホームスター(HOMESTAR)」

販売:セガトイズ

価格:2万790円

「ホームスター」を購入したい→amazon.co.jp≫


商品:携帯型プラネタリウム ハンディホームスター

販売:セガトイズ

価格:1050円

「ハンディホームスター」を購入したい→amazon.co.jp≫


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.